他責思考は本当に使えない?ビジネスシーンで環境変革をもたらす強み、自責思考との違いとは
他責思考の強みと弱みとは
原因の所在が自分にあるにもかかわらず、そう認めない、あるいは他人のせいにする「他責思考」には、以下のようなネガティブな面が多くあります。 ・改善すべき点に向き合わず、成長が見られない ・周りから信頼されず、人が去っていく(仕事を任されなくなる) ただし、世の中の事象のすべては、さまざまな因果関係が複雑に絡み合って起こっています。すべての原因の所在が誰か一人にあるということはほとんどないのが現実です。 仕事上でミスが起こってしまったとき、「ヒューマンエラーは誰にでも起こること。ミスが起こる仕組みを放置していた組織側にも責任がある」「ミスが起こるような仕事の任せ方、業務量だった点で、マネジメント側にも責任がある」というのも、一つの大切な観点となります。 一定の他責思考があれば、「そもそも、仕組み自体を変えていかなければ、ミスした本人が反省して改善しても、また同じことが繰り返される」と考えます。原因の所在が他人にあったとしても、解決の主体は自分にあるという「当事者意識」は、環境や仕組み自体を変えようというモチベーションにつながるのです。 また、原因の所在を自分以外に持てる点で、精神的に強いとも考えられます。他責思考のメリットや強みとしては、以下のようなことが挙げられるでしょう。 ・環境を変える変革意欲が高い ・必要以上に自分を追い込まないメンタルタフネスを持っている
自責思考の強みと弱みとは
「原因の所在は自分にある」と考える自責思考は、担うべき業務や裁量がきっちりと決まっている仕事において力を発揮します。 仕組みやルール、マニュアルが定められているインフラやメーカー、チェーン展開のサービス業などでは、自責思考で自分に任せられた業務範囲内で改善していこうというマインドの人のほうが、企業側としても管理がしやすく、向いているでしょう。 ただし大きな欠点としては、自分の影響を及ぼせる範疇でしか変えようとしないところです。環境自体を変えていこうという考える人は少ないので、組織変革を期待する幹部人材や新規事業開発などの領域には不向き面もあるかもしれません。 また、必要以上に「全部自分の責任だ」と考えすぎるあまり、他責思考の人よりもストレスを抱えやすいとも言えます。