【クイーンS】武豊騎手の本気に期待、本命候補はボンドガール 穴馬コンクシェルは逃げ切る公算あり
本命候補は最内枠で斤量51kgのボンドガール、穴馬はコンクシェル
【ボンドガール】 昨年6月の新馬戦で、同日の安田記念のシュネルマイスターの上がり3F32秒8、香港JCTに出走したのちの菊花賞馬ドゥレッツァの上がり3F32秒7には劣るが、同日の東京芝では堂々の3位となる33秒0を記録して快勝した。当時の2着馬はのちのオークス馬チェルヴィニア、3着以下にものちの活躍馬がズラリでこの勝利は強烈なインパクトがあった。 そこから休養明けで挑んだ昨年10月のサウジアラビアRCでは2着に敗れたが、同レースは前半3Fのペースが速く、3~4角でペースダウンする展開。それを3番枠から出遅れて、前半から掛かり気味になりながら中団中目まで押し上げたところを、3~4角では我慢させており、レースの流れと噛み合っていなかった。それでも2着と好走したのは実力の証だ。 そこから再始動戦となった前々走のニュージーランドTでも2着に敗退。当日は時計の掛かる外差し有利の馬場でレースも緩みなく流れたが、馬場の悪化した好位の内を立ち回ったのが敗因の一つ。新馬戦とは真逆のような流れであり、スタミナが不足しがちな長期休養明けでは苦しかっただろう。 前走のNHKマイルCでは本命に推したが、まさかの17着大敗。これは最後の直線で最内から先頭を狙ったが、アスコリピチェーノが寄せてくるというC.ルメール騎手の焦りが伝わってくるようなラフプレーがあったから。窮屈になり、ボンドガールの鞍上・武豊騎手が安全確保のために位置を下げ、そこから流して終わった。 前走、スムーズだったらどこまでやれていたかは不明だが、これまで決定的な負け方をしていないし、キャリア4戦と浅く、まだまだ伸びしろも見込める。何よりも前走の悔しさをバネに、55歳にして斤量51kgまで減量して挑む武豊騎手の本気に期待したい。 【コンクシェル】 昨夏の小倉芝1800m戦、不知火特別(2勝クラス)で逃げて5馬身差で圧勝し、重賞でも通用する指数を記録した馬。その後は不振だったが、立て直されて年明け2戦目の初音S(3勝クラス)を勝利すると、次走の中山牝馬Sで初重賞制覇を達成と再び軌道に乗ってきた。 自己最高指数を記録したのは初音Sでのこと。5番枠から好スタートを決め、押してハナを主張。外から競ってくるセンタースリールに抵抗しながら進めて、最終的には同馬を行かせて2番手で折り合った。3角ではセンタースリールと3馬身、4角では2馬身半ほどの差で直線へ。ラスト2Fで仕掛けて抜け出すと、ラスト1Fでそのまま突き抜けて3馬身差で完勝した。 本馬が初音Sで記録した指数は、当然ここでも通用するもの。ただこの手の馬は自分の競馬ができれば強いが、そうでなければ惨敗することが多い。昨年のローズS、秋華賞、そして今年初戦の節分Sは自分の競馬ができずに惨敗した。反対に初音Sは揉まれない競馬で3馬身差の圧勝。中山牝馬Sもゆったりと逃げて勝利した。 前走はマイル戦で楽に逃げられず能力を出し切れなかったが、今回は実績のある芝1800m戦。前走で速い流れを経験しているので、今回は自分の競馬に持ち込めそうだ。今回の鞍上は横山武史騎手。同型馬でテンの速いウインピクシスは、同騎手の兄、横山和生騎手が騎乗することもあり、無理に競ってはいかないだろう。それなら一発が期待できる。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)ウンブライルの前走指数「-19」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.9秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ