J1で55ゴール 武藤雄樹がJ3のSC相模原に移籍したワケ「自分が最後にやりたいと思えるチームでプレーしたい」
――今季柏でのリーグ戦出場はすべて途中出場の3試合(出場時間48分)のみ。限られた時間で結果を残すのは難しかったですか。 「今年のキャンプ前にチームとして走り込みがあったんですけど、僕も若い選手とそんなに変わりなく走ることができました。ただ、やっぱり試合に出ていないと、キレとか、連続性とか、そういったものが落ちてしまうと感じていて......。それが落ちたなかで、たまにポンって試合に出た時の難しさですよね。 今年に限った話ではなく、30歳を超えたくらいから感じていた部分ではありますけど、ベテランになればなるほどピッチに立ち続けないとコンディションを保つのが難しくなる。若い時のほうが(コンスタントに)試合に出ていなくても、『コンチクショー!』っていう気持ちで体が動いていたというか(笑)。そんな部分はあるのかなって感じます」 ――それでも、Jリーグでは30歳をすぎて結果を出すストライカーも多いし、ベテランならではの味も出てくるのではないですか。 「僕自身も、間違いなく若い時に比べてプレーの幅が広がっているとは感じています。30歳を超えた選手が点を決めるのも、やっぱり経験を重ねて、いろんな駆け引きが巧みになっているからじゃないかなと思いますし。 なんでもかんでもがむしゃらに走れなくなる分、ひとつのプレーに対して集中するというか、僕がレイソルで7点取ったシーズン(2022年)なんかはそうだったんですけど、あまり余計なことをせずにゴール前に集中していました。若い時のように、守備もやります、ボールも引き出します、ゴールも決めますっていうのは、歳を重ねると体力的に難しくなるので、そうやってひとつのプレーに集中することが、もしかしたらゴールを取れる要因になるのかもしれません。 でも、だからといって、僕はそれがすべてではないと思っているし、僕自身はゴール前にドンと構えているタイプでもない。チームのスタイルだったり、監督が僕に求めることだったりというのがあるので、その最適なバランスを相模原で見つけたいとも思っています」 ――移籍先を決めるにあたって、J3というカテゴリーは気になりませんでしたか。 「関係なかったですね。もちろん(プロ入り以来)ずっとJ1でやってきていて、そこでやれることのすばらしさは感じていましたけど、相模原から話が来た時に『J3だから嫌だな』っていう感じはまったくありませんでした。J2でも、J3でも、自分が最後にやりたいと思えるチームでプレーしたい。その感情のほうが強かったです」 ――相模原がJ2昇格の可能性を残しているなかで、J1からの移籍加入選手は期待が大きい。その分、重圧も大きいのではないですか。 「(移籍交渉時に)チームの強化の方からは『J2昇格を狙っているから、そこで力を発揮してほしい。(J2に)連れていってほしい』ということは言ってもらいましたし、そこはすごく意気に感じました。ここに来たからには必ず結果を出してJ2昇格の力になりたい。それが地元への貢献とか、地元をより盛り上げることにもつながってくると思っています」