費用は?どんな治療なの?失敗しないの? 需要高まる「インプラント」で絶対に知っておきたい真実 よい治療を受けられる施設選び、7つのポイント
④ 術前・術後のメンテナンス インプラントを長持ちさせるためには、術前・術後の口腔内のメンテナンスが不可欠。とくに術前に適切なブラッシングや歯石除去を行い、それを継続することでインプラント周囲炎などの合併症リスクを大幅に低減できる。そのため、治療前後にしっかりとメンテナンスを実施してくれるかを確認すること。 ⑤ 最新技術を導入している CTやナビゲーションサージェリーを導入している施設は、より安全で正確な治療を提供できることから、医療機関選びの目安となる。
⑥ 学会の認定資格をもつ医師がいる 日本口腔インプラント学会や、日本顎顔面インプラント学会などの専門医・指導医資格を持つ歯科医、口腔外科医、補綴科医、歯周病科医を選ぶのも1つの目安。 ⑦ 通院の利便性 インプラント治療は1回で終わるものではなく、術前・術後の定期的な通院、メンテナンスが必要。できるだけ通いやすい医療機関を選ぼう。 ■長持ちのカギはセルフメンテナンス インプラントは入れたらおしまいではない。むしろ術後も長期にわたるメンテナンスが必要だ。そういうことを怠ると、先に挙げたようなインプラント周囲炎や歯周病といった重大な合併症が生じるリスクが高まる。
それを防ぐ意味でも、信頼できる歯科医とどれだけ良好にコミュニケーションをとっていけるかも重要となる。 「インプラントは天然歯と異なり、神経がないため、炎症や異常に気づきにくいという特徴があります。 インプラント周囲炎や歯周病の予防には、定期的な歯科検診と日常的なブラッシング、歯間ブラシやフロスを使用した細やかなケアなど、セルフメンテンナンスが不可欠です。できれば、そうした口腔ケアに熱心で、少し口うるさい(笑)ぐらいの医師を選ぶのが正解です」(丸川医師)
インプラントも、正しい情報を入手することで治療への不安は取り除ける。自分にとって最適な歯科治療を選択して、より快適な毎日を手に入れてほしい。 (取材・文/石川美香子) 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 口腔再生再建学分野・口腔インプラント科教授・診療科長 丸川恵理子 東京医科歯科大学歯学部卒業後、ドイツFreiburg大学顎顔面外科に留学。帰国後、東京医科歯科大学大学院歯学研究科博士課程修了。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野助教、准教授を経て、2021年8月より現職。
東洋経済オンライン医療取材チーム :記者・ライター