費用は?どんな治療なの?失敗しないの? 需要高まる「インプラント」で絶対に知っておきたい真実 よい治療を受けられる施設選び、7つのポイント
近年のインプラントは、後述するCT(コンピューター断層撮影)やナビゲーションサージェリーといったデジタル技術により、手術の精度と安全性は飛躍的に向上している。 CTは、インプラントにおいて顎の骨や、歯の周囲組織の立体的な状態を把握するために欠かせない。これまで使われていたX線では見えない骨の状態や周囲の神経、血管の位置などを正確に把握できる。これにより、インプラントを埋め込む際に、誤って神経を損傷するなどのリスクが大幅に減少している。
ナビゲーションサージェリーは、リアルタイムにインプラントの埋め込む位置や角度を確認できる最新技術だ。正確で安全な手術ができ、手術時間も短くてすむため、術後の回復が早まり、従来よりも短期間で通常の食事や日常生活に戻ることができる。 ただし、「ナビゲーションサージェリーを導入している施設は、当院をはじめ、日本ではまだ数百施設だといわれています」(丸川医師) さらに、最近ではインプラント体(人工歯根)自体がより細く短くなり、チタン素材もより速く⾻と接合する性質へと進化している。
「思った以上に小さくて、驚く患者さんも多いです。細く短くなったことで、重要な神経や血管を避けやすくなり、土台の骨量が足りずに治療が困難だったケースでも手術ができるようになるなど、治療の適応が拡大しています」(丸川医師) 一方、注意したいのは合併症だ。インプラントは、歯を支える骨や歯肉にダメージを与える歯周病があるまま行ってしまうと、歯肉や骨などに炎症が広がる「インプラント周囲炎」や「骨吸収」といった合併症を引き起こす可能性がある。
歯周病がある場合は、その治療を優先し、口腔内の状態が健康に保たれたあとでインプラント治療を進めるのが基本となる。 「歯周病で骨が減少してしまっていても、歯周病そのものが治っていればインプラントは可能です。ただその場合、骨を再生する治療が必要で、通常より費用も時間もかかります」(丸川医師) ■インプラントでかかる治療費は? さて、インプラントはわが国ではそのほとんどが自費診療で健康保険がきかない。最新の相場はどのくらいなのだろうか。