在日米軍基地の戦闘機配備が変わる!「日米中空中決戦」徹底シミュレーション
「F15-EXとF-35が来るならば、整備などは日本でやってくれ、という形になるかもしれません。もしくは、それだけのミサイルを備蓄しておくべきなのか。また、中国が攻めてきた時にはどのように防衛するのか。そのような作戦を一緒にやろうというのが見え隠れしますね」(杉山氏) では、具体的には米空軍はどうするのか。 「今回の米空軍の配備ですが、開戦時に本当にそこにいるかというと、現在のセオリーからすればいないのでは?というのが私の結論です。グアム、アラスカ、オーストラリアから空中艦隊を形成して、途中で空中給油機などを使いながらやってきます。中国が日本と米国相手に全面戦争を仕掛けた時には、一気に来るでしょう。 ただしこれは、中国から第一撃を受けた後に行くパターンです。先制攻撃として中国沿岸部を叩く可能性もあります。もしくはそういう脅しによって、抑止力を高める戦略も考えられます。そういった意図から、この配備計画があるわけです。 だから、中国から攻撃される可能性があるならば、基本は引きます。しかし、中国が撃ってくるのが事前に分かっていれば、発射基地を先に攻めて行きますよ、と。先制はしない、とは明言していないですからね」(杉山氏) 中国軍からのミサイルの飽和攻撃を受けている時、空自はどうしている? 「空自は上空退避、分散配置などいろいろな形で日本本土の中に残って戦うことを選ぶと思います。北欧のように高速道路を滑走路として使うようなレベルまでは、まだ日本には見えていません。 民間飛行場を活用する案などいろいろと挙がっていますが、そういった形で分散しながらまずは第一撃を受け、降りられる所に行って戦う可能性はあります」(杉山氏) NATO空軍と空自の合同訓練が始まったが、分散配置で高速道路などを滑走路に使う方策を伝授してもらい、早期に対応策を練るべきだ。もちろん、中国側の戦闘準備は着々と進んでいる。 取材・文/小峯隆生