在日米軍基地の戦闘機配備が変わる!「日米中空中決戦」徹底シミュレーション
中国はこのステルス戦闘機からの爆撃で目覚め、反撃を開始する。しかし、離陸した中国空軍機をF-15EXからの512発の空対空ミサイルで次々と撃墜する。すさまじい戦力アップだ。 だが、敵の中国空軍も黙ってはいない。第五世代ステルス機J20を改良し、いままでF-22しかできなかった超音速巡航を可能にしたのだ。F-35に超音速巡航は不可能だ。これは、やばい。この新J20に勝つには、F-22を持ってくるしかないのか。 「そういう事態になる前に、ハワイ、エルメンドルフから、F-22部隊が展開してきます」(柿谷氏) ではここから、日米同盟の枠組みでは対中国とどんな空戦が想起されるのか、シミュレーションしてみよう。 まず、日米連合のF35Aはステルス性を生かし、空自は長距離ミサイルを搭載して、中国沿岸部を狙うはずだ。そして、空自のF2はその囮(おとり)編隊として港から航行中の中国海軍を狙う。その隙に、米空軍のF-35Aが125トンの爆弾を投下し、さらに空自の長距離ミサイルを打つ。その日米ステルス空爆艦隊の後には、別の日米空戦爆艦隊が続く。 嘉手納基地の32機のF-15EXは、空中ミサイル発射艦隊として離陸。この後方には、射程1000kmの巡航ミサイル「JASSM」を搭載した空自のF-15改が続き、日米空軍空中艦隊の一翼を成す。そして、日米のF-35Aステルス空爆艦隊の第一撃に呼応して、舞い上がった中国戦闘機を米空軍F-15EXが次々と撃墜。その隙にさらに奥地の中国軍航空基地を空自のF-15改がJASSMで叩く。 こうして中国の空海軍航空基地を殲滅しようとするのか......? 「いいえ、そのための訓練はしていないと思います。だから、空自は米空軍に対して、AWACS(空中警戒機管制機)のレーダーでのモニターと、SAR捜索救援で待機するしかないと思います」(柿谷氏) 一方で、杉山氏は柿谷氏とは異なる見方をする。 「どちらかと言うと、近年の米空軍は前方展開から引きつつ、そのカウンターアタックをする戦法を採用しています。なので、基本的な戦略構想からすると、こういった配置は考えられません。 さらに、48機のF-35Aという最新鋭機が、開戦するタイミングで三沢基地の駐機場にいるかどうかを考えると、それは疑問です。米空軍は空自と一緒なってやる、という体裁によって抑止力を高め、同時にプロパガンダしているのではないかと推測します」(杉山氏) ただ、中国空軍もじっとはしていない。中国軍は第5世代ステルス戦闘機「殲20」を、音速を上回るスピードで長時間航行する「超音速巡航」ができるように改良している。