【米国市況】株下落、ハイテク中心に売り-円は対ドル157円台後半
外為
外国為替市場では、円が対ドルで小幅高。加藤勝信財務相が一方的な為替動向には対応すると表明したことが円買いを誘い、一時は1ドル=157円35銭まで上昇した。ただ、ニューヨーク時間午後には、157円90銭台とこの日の安値圏まで伸び悩んだ。
みずほセキュリティーズのマクロ戦略責任者、ジョーダン・ロチェスター氏は米国の関税が引き上げられるリスクに加え、米金融当局が2025年に限られた利下げしか実施しないとの見通しが強まっていることを踏まえ、円が下落を続ければ、介入リスクが高まるとトレーダーはみていると指摘。円が160円を割り込み、162円を模索するような動きになれば、円買い介入が入る可能性があると述べた。
原油
ニューヨーク原油先物相場は上昇。年末で薄商いとなる中、来年の見通しや中東情勢が意識された。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)のボラティリティーを示す指数(10日間ベース)は、7月以来の水準に下がった。
中東ではイエメンの発電所や港湾、首都の空港といった標的をイスラエルが攻撃。イスラエルはこれらの標的を親イラン武装組織フーシ派が支配していると主張している。フーシ派は紅海の海運を脅かしており、石油タンカーはアフリカ南部を回る長距離の航路を余儀なくされている。
原油相場は10月中旬以降、小幅なレンジで推移しており、このままいけば年間では小幅なマイナスとなる。来年は中国の需要が減速し、世界的に生産が拡大することから、需給は供給超過になるとの懸念が広がっている。ただ、トランプ次期政権下でイラン産原油に対する制裁が強化される可能性があり、トレーダーは慎重姿勢を崩していない。
米エネルギー情報局のデータによれば、米国の原油在庫は先週に420万バレル減少。メキシコ湾岸の製油所稼働率は5年ぶり高水準に達した。WTI先物期近2限月の価格差であるプロンプトスプレッドは、期近の価格が期先をバレル当たり40セント余り上回っており、目先の供給引き締まりを示唆している。