トヨタとNTTが会見 スマートシティー構想で提携(全文2)業務提携はかなり長期になる
原単位の考え方を導入
豊田:Woven Cityの、ほかのスマートシティのことはよく勉強しておりませんが、トヨタが言い出しておりますWoven Cityの1つの特徴は、原単位と申しますか、原単位の考え方を導入したということだと思います。原単位と申しますのは、まずe-Paletteという自動運転車をつくりました。通信が、アナログの時代からデジタルに変わり、どんどん車に情報を入れていくんですけど、本当に車が全部インフラをしょい込んで、本当に安全な事故なしの生活ができるんだろうか。そしてそれが多くの方に移動の自由を与えるアフォーダブルなものになるかどうかと申し、いくと、やはりある程度インフラでやってもらうのもの必要だなというふうに思いました。 それで、150メートル、150メートルの1つの区画の中に、人と物の流れを変える道をつくりました。1つは歩行者専用。もう1つは自動運転専用の道。もう1本の道が人と、いわばそういうモビリティが混在する道。そして物の移動は別ルートということで原単位を入れたというのが1つユニークな点です。 その原単位というものが、いわばトヨタ生産方式のベースになることですが、先ほどプレゼンでも言いましたけれども、われわれは多くの方に幸せをお届けできる企業になりたい。そこのところでNTTさんとまったく実証実験でのデータの活用の仕方とか、それから誰のためのデータですよねとかいうような意見が、まったく同じでございましたので、それはやはりリアルのまちでの、リアルな生活に基づくデータを収集することによって人間の暮らしをもっと楽しく、もっと豊かにすることを目指すという意味で人を中心にしていきたいということでございます。 澤田:あれですよね。データはまちの人とか、例えば裾野市とか、そういう共通的なところをやっぱり持つべきだと。 豊田:そうですね。
私のバックに連合軍が見えているのでは?
澤田:われわれ自身が囲い込まずにというオープンマインドの1つでもある。 豊田:それは、例えばトヨタ自動車とNTTがやるわけですけど、たぶんトヨタ1社では、NTTさんはこうして動いていただけなかったんじゃないかなと思っています。 澤田:いえ、それは動くかもしれませんけど。 豊田:たぶん、私のバックに、私どもがもっといい車づくりをしようという連合軍がやはり見えているんじゃないのかなと。そういうことからモビリティの、車側も、ものすごくオープンに見えたと思うんですね。できればこの場で、いわば通信の世界というのは第二電電ができましたね。今で言うKDDI。私どもKDDIも株主であるわけですが、やはりNTTとKDDIの、この2つが、以前FOMAというのとCDMAという2つの方式で競争をしてきたわけですね。競争をしてきた中で、いわば、利用料というのはどんどんアフォーダブルなものになってきたと思います。 ところがデジタル化が推進し、5Gの時代を迎え、車も自動運転の技術革新とか、いわば実装のときを迎えるとなると、やっぱりデータ処理のところがより通信の中でも協調部分と。いわば、競争部分というのが出てくるんじゃないのかなというふうに思います。ですからそういう意味では未来を創造するプロジェクトをNTTさんとこうして一緒にやらせていただくことにより、今後オープンにいろんな方々が入ってくる、それは通信の世界も車の世界も。両方ともオープンに入ってくることによって、それぞれが未来の価値をつくるときに、この部分はやっぱり協調したほうがいいよね、ここはやっぱり競争だよねというのがですね。 澤田:本当の基盤です。 豊田:基盤が一緒にできるのは、お互いがやると無色透明な連合軍ができるからじゃないかなというふうに思っておりますし、逆に無色透明な、オープンな企業連合がやっぱり、この指止まれということをやることによって、それなりの同じ志を持った、同じ価値観を持った方々が集まってこられた先に、人中心のみんなが幸せになる未来ができるんじゃないのかなというふうに考えております。 司会:それではここで、本日オンラインでご参加いただいている皆さまからもご質問を頂戴したいと思います。 【書き起こし】トヨタとNTTが会見 スマートシティー構想で提携 全文3に続く