「社長とはできませんと…」“紀州のドン・ファン殺人公判”須藤早貴(28)が主張した事件最大の核心 新婚初夜に「ゴム手袋使って」夫は「もうダメだから覚醒剤を」《きょう判決》
新婚初夜に「ゴム手袋を使ってもいいですか」
「X子さんという昔からの交際相手が、大阪から田辺に2、3日に1回来て、抜いてくれると。そのことについては文句を言わないでくださいね、と言われました。X子さんだけは、社長を男にしてくれる、勃たせてくれる、射精させてくれる人だから、この人だけは切れないと。私は『どうぞ、お好きに』と言いました」(同前)」 一方で須藤は、野崎氏との出会いを「お金をくれるしラッキーだな。うまく付き合っていこう」と考えた。実際に12月21日と2018年1月31日、野崎氏から須藤の口座にそれぞれ100万円が振り込まれた。そして須藤は、前述の約束を守る条件で2月8日、野崎氏と戸籍上の夫婦になる。 「家族や友人には話しませんでした。月100万円で契約した結婚なので、愛のある普通の結婚とは違います。わざわざ伝える必要はないと考えました」(同前) 須藤は“愛のない初夜”についても法廷で赤裸々に振り返っている。その日、夕食を済ませた後、須藤は野崎氏から自宅2階の寝室に呼ばれた。野崎氏は、入浴と歯磨きを済ませた状態で、全裸のままベッドの上に仰向けになっていた。 「社長は『初夜なので、あなたもこっちに来てください』と。私が『セックスとか性的なことはしない約束だよね』と言うと、『セックスはできないのでしなくていいです。でも触ってほしい』と言いました。私はイヤだったので『ゴム手袋を使っていいですか』と言い、怒られるかなと思いましたが、社長は『それでもいいのでお願いします』と」(同前) 須藤は1階のキッチンから持ってきたゴム手袋を装着して、野崎氏の陰部に触れる。まるで汚物扱いだった。
「もうダメだから、覚醒剤を…」
「どうにもならなかったです。勃たなかったです。社長は『もういいです。口でしてくれたら、フェラしてくれたら、勃つかもしれません』と言いましたが、私は『それは無理です』と拒否しました。社長は『もういいです』と、残念そうな、悔しそうな顔をしていました」(同前) 2月中旬に田辺市へ行った時も、野崎氏は同様の行為を要求した。 「同じことをしましたが、勃たたなくて、私は『年だから仕方ないよ』と言いました。社長は『俺を勃たせられるのはX子だけだ』と言うので『じゃあX子さんに頼みな』と。言い合いというか、社長の八つ当たりのような感じでした」(同前) 須藤は野崎氏を適当にあしらいながら、3月中旬にフランス旅行をするなどし、気ままな生活を続けた。旅行中も野崎氏からは頻繁にメールが届く。〈お金を受け取ることは自由を束縛されることです。紀州に君の笑顔を見せることが何よりのプレゼントです〉とメッセージが来た時は、 「やべえ奴だなと思いました」(同前) 東京を拠点に生活していた須藤は、野崎氏に懇願されて3月末から田辺市で生活を始めるが、 「田辺市で生活を始めてからも、社長がベッドで横たわって『触ってほしい』と求められることが何回かありましたが、やはり勃ちませんでした」(同前) 事件の根幹に関わる新証言が飛び出したのは、その直後のことだ。 「4月になって、社長から『もうダメだから、覚醒剤でも買ってきてくれませんか?』と言われました」(同前) 野崎氏の命を奪った“凶器”の覚醒剤。須藤は、それを野崎氏本人が要求したと主張したのだった。 ( #9 に続く)
「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル
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