『M-1』連覇「松本人志でも優勝、松本不在でも優勝」の意味…令和ロマン・くるま「新カリスマ」のワケ
M-1優勝後も関西の賞レースに!たゆまぬ挑戦し続ける姿勢
くるまさんの特筆すべき点はM-1の連覇だけではありません。 令和ロマンは昨年のM-1優勝後に関西のお笑いコンクール「ABCお笑いグランプリ優勝2024」で優勝。「M-1グランプリ優勝後にABCお笑いグランプリ優勝」を達成した史上初のコンビとなりました。 これもまた大きな賞レースで優勝をすることが目的なのではなく、賞レースに挑戦し続けることでお笑いのお祭りにずっと参加し続けることが目的のくるまさんの意向と令和ロマンの実力が反映された結果となりました。 また相方の松井ケムリさんのお父さんが大和証券取締役副会長兼最高執行責任者、関西テレビ放送監査役であることはよく知られています。 実家が日本トップクラスの富裕層でもある松井さんを相方に持てば「金持ちへの憎悪」のようなテンションで相方をイジることは簡単でしょう。けれども、くるまさんはそういったことはせず、あくまでフラットな感覚でコンビを組んでいることがうかがえます。
くるまの人生観に鬱屈した若者世代から共感も
くるまさんは過去のインタビューやYouTubeで、複雑な家庭環境で育ったこと、お笑いのために一浪で入学した慶應義塾大学を中退したこと、東京都練馬区出身という生い立ちを絡めて自身について「東京の寂しいところも楽しいところがいっぱい入っている」「ミスター東京」だと語っていました(12月4日『PHPオンライン』インタビューより)。 人生の物寂しさや物足りなさを感じながら自分とは何かを常に探して彷徨(さまよ)い、誰かを腐(くさ)したり傷つけたりせず、ただただ必死で考えてやりたいことを続け、いつの間にか結果がついてくる。 現代の若者を代弁するかのような生き様には「物語の主人公感がすごい」、「共感することが多い」と評する人も少なくありません。 お笑いファンだけでなく鬱屈した若者世代にとって、くるまさんは単なる「面白いお笑い芸人」以上の存在になりつつあるのが現状。実際にくるまさんは今年の夏に「世界を変える30歳未満」を30人選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」に選出されました。 その後には去年のM-1優勝賞金を使って全国の小学校にサインボールを2万個作る壮大なプロジェクトを進行していることを発表したり、初の著書『漫才過剰考察』を出版したり。