フォルクスワーゲンの新型「T-Cross」を徹底リポート!ロングツーリングに最適なコンパクトSUVだ
フォルクスワーゲンのSUV「T-Cross」に日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)の金子浩久が乗ってきました。キャンプやアウトドアにも使いやすいコンパクトサイズの「T-Cross」の魅力と気になった点を徹底リポートします。 【写真11枚】同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”が全3グレードに標準装備された、フォルクスワーゲンの新型「T-Cross」を写真で見る
マイナーチェンジで進化した点
フォルクスワーゲンのコンパクトSUV「T-Cross」にマイナーチェンジが施されました。ボディカラーが増えたり、フロントとリアの造形が変わったりしています。 他にも変更点はありますが、最も重要なのは同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”が全3グレードに標準装備されたことと、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”が上位2グレードに採用されたことだと考えます。 1.0リッター3気筒エンジンで7速DSG型2ペダルトランスミッションを介して前輪を駆動するという基本構成は、どのグレードでも変わりません。 その中から「TSI Style」という真ん中のグレードに試乗しました。車両価格359万9000円(税込)です。
タイヤノイズの遮断とツインクラッチ式変速機の快適さ
薄いブルーメタリックにところどころクロームと艶消しブラックが配された外装はさわやかで、フォルクスワーゲンらしい堅実さが表現されています。 走りにも、その堅実性が備わっています。コンパクトなボディなのに高速道路でも安定していて、タイヤが路面と擦れるノイズをうまく遮断していて気になることがありません。 また、トランスミッションがツインクラッチ型の7速「DSG」のメリットが活かされています。強めの加速が必要な場合には、エンジンを高回転まで回す必要がありますが、DSGには7つのギアが備わっていて、それぞれのギアでキッチリと加速を繰り返して変速していきます。 日本メーカーのコンパクトカーに多いCVT型トランスミッションは対照的で、段のない加速をしていくのでエンジン回転をコントロールしながら加速していくのには慣れが必要です。回転だけ上がってエンジン音は高まっても速度が伴っていないことがあります。 そして、日本メーカーのコンパクトカーの多くは、タイヤノイズを遮断するのは不得意です。較べた場合のT-Crossの長所が断然と光ってきます。 ですから、今回は100kmにも満たない短距離での試乗でしたが、T-Crossでの長距離走行は快適なものになるであろうと予想できるのです。