ニューウェイの存在が、チームに自信を植え付ける……アストンマーティン代表「もう勝てないような存在ではない」
アストンマーティンF1は9月10日に天才的なF1マシンデザイナーとして著名なエイドリアン・ニューウェイの加入を発表した。チーム代表のマイク・クラックは、この出来事がチームにさらなる信頼を与えると語っている。 ”空力の鬼才”の名は伊達じゃない! エイドリアン・ニューウェイが手掛けたF1マシン傑作選 ニューウェイはこれまで、ウイリアムズやマクラーレン、レッドブルで数々のチャンピオンマシンを手がけており、既に伝説的な存在となっている。レッドブルを離れる事になった彼の行先が注目されていたが、最終的に選ばれたのはアストンマーティンだった。 クラック代表はニューウェイの加入がチームのエンジニアリング部門……特に若いメンバーに刺激を与え、チームが“勝ち目がなさそう”な存在に見られなくなると語った。実際、ニューウェイのアストンマーティン加入が発表された際のファクトリースタッフの盛り上がりはすごく、既に士気が高まっているようだ。 「まだ笑顔なんだよ。見て分かるだろ? 笑顔を止めようとするのが大変だったんだ」とクラック代表は言う。 「我々チームにとってこれは素晴らしいニュースだと思う。情熱が凄いことになっている」 「社内でこの知らせが解禁されたとき、800人もの人々が歓声をあげたのを見るのは本当にすごかった」 「そしてエイドリアンがステージに上がったとき、歓声はさらに大きくなった。本当に素晴らしかったよ」 「スタッフを始めとして誰にとっても違いが生まれていくと思う。エイドリアン・ニューウェイを加えられたことで、このプロジェクトが信頼性のあるものだと示されている。ローレンス(ストロール/オーナー)のビジョンが言葉だけではなく、チームとして自信を持って行動を進めているということだからね」 「これまで慣れてきたような、“勝てない存在”ではなくなった。チームにはできるという自信があるはずだ。もちろん、パートナーとは全く異なるアプローチを採ることになるし、それはレースドライバーも同様だ。だが私は将来に向けて扉が開かれたと思っている」 なおニューウェイがチームへ加入するのは2025年3月。ただ同年1月からは次世代レギュレーションに対応した2026年用のF1マシンの開発が解禁されるため、ニューウェイのいない時期からアストンマーティンは設計を始めなければならない。 クラック代表はニューウェイがチームへ加入した時に、彼の設計アイデアを受け入れることのできるように柔軟性をもって設計されていくだろうと語った。 「正直に言ってまだ時間が十分にある。言うまでもないが(2025年の)1月1日以前には空力作業やパッケージングなどは始めてはいけないし、こういったものはまだ変更が可能だ」 「基本的なパッケージ、エンジンとギヤボックスの位置がどこかは明確になっていて、あとは調整の問題だと思う。だがレギュレーションもまたいくつかの領域でかなり制限があることは忘れてはいけない。そのために自由度がさほど高くない部分があるんだ」 「その後は我々が対応し、調整していくこととなる。新しいアイデアや別角度からの提案に対応するために、プロジェクトのプランを少し調整する必要があるかもしれないということにも、覚悟を決めておく必要がある」
Jake Boxall-Legge