ジャーナリングがストレス解消に効果的である理由
長期的にストレスを感じると、さまざまな形で害が出ます。 記憶できる情報量(心理学ではワーキングメモリと呼ばれています)が少なくなり、集中力を発揮しにくくなり、健康に長期的な影響をもたらし、よく眠れなくなります。 しかし、ジャーナリングという明快でシンプルなストレス救済策があるのに、利用している人はほとんどいません。
嫌な思い出が消えない理由
私の同僚のJamie Pennebakerさんは、ストレスに対する特殊なジャーナリング(筆記開示)の役割に関する仕事をかなりしてきました。 家庭だろうと職場だろうと、生活のなかでネガティブな出来事を経験すると、それがいつまでも心に残ります。 人間が悪い出来事を記憶する理由は、同じことが二度と起こらないようにするため。 しかし、嫌な出来事を繰り返し考えると(心理学で「反芻」と呼ばれるプロセスです。反芻とは牛が食い戻しを噛む行為です)、不安やストレスを引き起こす可能性があり、長期的に見ると、そのストレスは害になります。
ジャーナリングで心を軽くする
そうした嫌な出来事とそのときの自分の感情について書き出すと、気持ちが救われることがあります。 要するに、定期的に日記をつけるというコンセプトです。 私生活や仕事で嫌な経験をしたら、そのことについて何度か書きましょう。 書くときは、その出来事を詳しく記述してください。 そして、そのことで自分がどのように感じたか、将来、そのことに関して自分は何をするつもりか書きましょう。 20-30分かけて、心をもやもやさせている出来事について書いてください。 その出来事の直後は、書くのは辛いかもしれません。職場で大失敗をして、同僚たちの前で上司にこってり絞られたのでしょうか。 そんな間違いを犯したことで、自分自身に腹を立て、上司に怒鳴られて当惑し、恥ずかしく思っているのかもしれません。 あとでその出来事について書くと、そのときと同じ感情をもう一度味わうことになり、不愉快かもしれません。 しかし、このように書き出すことには大きな力があります。 ネガティブな考えが頭のなかから紙に移行し、脳はいったん頭の外に出した考えは記憶しておく必要がないと感じるはずです。 さらに、自分に起こる悪い出来事が人生のストーリーの悲惨なシーンにならなくなります。 人間は嫌な出来事について何度か書くことで、それを編み込んだ人生のストーリーをつくり上げるからです。