最新「マッチングアプリ」ではAIが暗躍 ペアーズの「マッチングの質」は、どのように作り出されるのか
ここで、先ほどご紹介した「マチパ」(マッチングパフォーマンス)が出てくる。 マチパに効率性だけを求めると、「いかにたくさんの人と出会うか」が焦点になる。しかし、そもそも実際に付き合うのは1人だし、候補が多すぎても困ってしまうのが現実だ。 利用者の声をペアーズが調べると、「相手が多すぎて選べない」「スペックや条件で選んだがミスマッチだった」「会ってみたらイメージと違った」という声が上がるという。 マッチングアプリは、単に誰か相手を見つけられることではなく、ぴったりな相手とのマッチング性能の向上に、ユーザーの期待が高まっているのだ。
■消費者のAIレコメンドに対する期待の高まり ペアーズでデータディレクターを務め、マチパ向上に努めているのが奥村純さん。 京都大学で博士号を取り、インターネット事業会社でAI開発に携わった後、2019年からペアーズを運営する株式会社エウレカに入社。2023年からデータディレクターとして、ペアーズのデータ戦略を統括する人物だ。 「ペアーズのAIは、国内の専任チームによって行われています。 親会社で世界規模でマッチングアプリを展開するMatch GroupのAI原則(真正性、公平性、説明可能性、説明責任、安全性、プライバシー、誠実性)に則り、お客様の『本質的な価値』に向き合う開発をしています」
AIマッチングはまだまだ事例が少ないのが実際で、研究開発の最中だという。またグローバルなMatch Groupのブランドやアプリ間での情報交換も盛んだという。 「これまでマッチングでは、自分の好みで選ぶ行動が重視されてきました。しかし昨今の消費行動やトレンドの変化を見ていくと、アルゴリズムの精度向上や、レコメンドの的確さにニーズが集まってきています。 TikTokやYouTubeのように、プラットフォームから提供されたものを取り入れる消費行動が増えており、だからこそ、レコメンドの的確さが重視されるのです」