最新「マッチングアプリ」ではAIが暗躍 ペアーズの「マッチングの質」は、どのように作り出されるのか
そこでAIがユーザー1人ひとりを詳しく知ることが重要になってくる。どういう人なのか、どんな好みなのか、行動パターン、価値観、良いと思う人柄などを、ユーザーに言語化を伴いながら、教えてもらう。 そのうえで、お互いの情報がスレ違わない相手同士をオススメしてマッチングする。ペアーズのAIマッチングでは、このようなことが気遣われているのだ。その精度を高めるためには、ペアーズ上でたくさん行動すること。AIに自分のことをよく知ってもらうことが、ミスマッチを防ぐ手立てになっている。
■長大なカスタマージャーニー ペアーズを通じて結婚した人(ペアーズ婚)は、日本の2023年の婚姻の約10%を占める、重要な結婚相手との出会いの手段に成長している。 ペアーズは、マッチするカップルの数ではなく、成婚率を重視している。100件マッチしても、付き合うのは1人で、結婚するのも1人であることから、マッチ数が多いことに価値がないのだ。だからこそ、マチパでマッチングの質を追求する戦略になる。 顧客がサービスを知り、使い始める過程を描くビジネスフレームワーク「カスタマージャーニー」は、現在多くのサービスの開発やプロモーションに用いられている。
ペアーズでは、結婚してサービスを使い終わるところまでが、カスタマージャーニーとして描かれているという。これは、カスタマージャーニーとしては非常に長期間にわたるもので、まだまだ変数となる要素は多い。 そんなジャーニーの出発点にある出会い。ペアーズにとって、交際につながるマッチを考えることこそ価値がある、と奥村さんは語る。 「100人とマッチするには、その何倍もの数の『いいね』を送っていて、時間も労力も、ストレスもかかってしまいます。結果的に1人とお付き合いするわけで、1人に『いいね』を送って、その人と交際、さらには結婚できるなら、それが最高のユーザー体験、というわけです。