【公立・私立・国立】小学校の仕組みや違いとは?小中一貫教育や小学校受験など小学校進学に関わる最新の動きも
【国立大学法人が運営する「国立小学校」】 国立大学法人が運営する国立小学校は、多くが「国立大学附属」の位置付けで、「◯◯大学附属」「◯◯大学教育学部附属」といった名称が一般的で、附属中学校と連携した教育をすすめています。公立小学校と同じく入学金や授業料は無料ですが、任意で寄付金を募ることも少なくありません。 授業内容は、大学で研究されている教育理論や手法を反映した質の高い、充実したものになる傾向にあり、先進的でレベルの高い学びが期待できるのが大きなメリットです。 都市部を中心に出願者が多いような学校では、入学するのに「調査・検査」だけでなく「抽選」も実施されています。学校によって「調査・検査」「抽選」の順番は異なりますが、抽選という不確定要素もあるのが難しいところです。 使用する教科書は校長が選べますが、私立のように濃い特色はありません。しかし比較的のびのびと教科書にとらわれない自由な学び方をするため、公立・私立とはまた違った魅力があるといえるでしょう。 ただし、入学から一定期間の送迎、PTA活動への積極的な参加、公開研究会・研究授業等の手伝いなどが求められることが多く、労力的な負担が大きくなる場合もあるようです。
小学校進学を巡る最新の動き
時代の変化や少子化、コロナ禍などを背景に、小学校への進学にも変化が見られます。 【公立校の小中一貫化の増加】 これまで私立や国立で行われていた小中一貫教育ですが、公立でも導入が推進されています。小学校と中学校が情報交換を行うことで小中のスムーズな連携を目指す「小中連携」から一歩踏み込んで「小中一貫教育」への動きが進んでいるようです。 この背景には、少子化による学校統廃合の影響や、中学校に進学した際に環境になじめない「中1ギャップ」と呼ばれる現象の解消を狙う意図があります。 小中一貫教育には「義務教育学校」と「小中一貫型小学校・中学校」の2種類があります。義務教育学校とは、1人の校長と1つの教職員組織の下で小中9年間(前期課程6年間、後期課程3年間)、一貫して教育を実施するものです。小中一貫型小学校・中学校は、それぞれ独立した既存の小学校・中学校を組み合わせて一貫教育を行うものです。あくまで別の学校のため、それぞれに校長、教職員がいます。 【2024年度入試では受験者数が減少した学校も】 小学校受験にも変化が見られます。コロナ禍で、オンライン教育の質の高さや、柔軟な取り組みを実施する私立・国立小学校に脚光が集まり人気に。受験者数を伸ばしていましたが、2024年度では、首都圏で前年度よりも受験者数が減った学校も見られました。 背景には、コロナ禍の落ち着きや、1人1台端末など公立でもオンライン対応が進んだこと、少子化の影響などがあることが指摘されています。