〈ロンジン〉とベゼルの話。
ダイバーが海中で潜水時間を瞬時に視認できるようダイバーズウォッチに必ず搭載される逆回転防止ベゼル。三角形と目盛りがついたリング状のアレだ。ケースの外側に付くのがお決まりで、それこそがダイバーズのアイコンだと思っていたけど、〈ロンジン〉の名機「ロンジン レジェンドダイバー」には見当たらない。一体どこに? と混乱するかもしれないが、実は風防の内側にちゃんとある。 〈LONGINES〉LEGEND DIVER
リュウズを回すと中のベゼルが回転する仕組みで、内側にあることで潜水中に障害物にぶつかって目盛りがズレるという危機的状況も防げるのだ。スイスのケースメーカー「エルヴィン・ピケレ」が開発したスーパーコンプレッサーケースという防水ケースをいち早く採用したのが〈ロンジン〉。後の’60年代ダイバーズウォッチブームを踏まえれば、’59年のダイバーズをルーツとしたこの時計は、そんな古き良き潜水時計のレガシーを今に伝える。そんな歴史に甘んじることなく、最新作の防水性能は300mにまで進化。この手の時計はヴィンテージに軍配が上がりがちだが、こと〈ロンジン〉に関しては「最新こそ最良」との言葉がよく合う。
インフォメーション
〈LONGINES〉LEGEND DIVER 2007年に初登場したレジェンドダイバー。1959年のダイバーズを継承した佇まいだが、機能性は進化を続ける。COSC認定クロノメーター。裏蓋に刻印されたダイバーの腕にも同じモデルを嵌めるなど、芸が細かい。ケース径39㎜、自動巻き、ステンレススティール製。¥510,400(ロンジン/スウォッチグループ ジャパン☎03・6254・7350) photo: Ryohei Ambo, styling: Kazuro Sanbon, grooming: Risa Fukushima, edit: Koji Toyoda(2024年7月 927号初出)
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