「大成功を収める人」の3つの時間術
2. 断り方をマスターする
次に、赤や黄色に色分けしたタスクに関しては、断る方向で対処していきます。Abji氏自身も、IBM時代は断るのが苦手だったそうですから、心配することはありません。 嫌われたくない、チームプレーのできる人と思われたいという思いが働くので、これはなかなか厄介です。しかし、私はIBM時代に当時の上司から苦言を呈されたことがありました。 「皆に好かれるためにあなたを採用したのではありません。ビジネスで成果をあげ、尊重される存在になってもらうことを念頭に置いてあなたをIBMに迎え入れたのです。 それには、最優先事項を軸にスケジュールを組んでもらわないと困ります」と言われてしまったのです。 最大限の成果を組織にもたらすよう時間配分する、そのために何かを断らなければならない、これは利己的な行為ではありません。 ただし、断り方には配慮が必要です。角を立てることなく、思いやりをもって、なおかつ毅然とした態度で、とAbji氏は言います。 「時間がないのでできません」と言ってしまうと、自身の職務を遂行できていない印象を与えてしまいます。これでは今後、より大きな仕事を任せてもらえなくなります。戦略的にプライオリティーの高い案件に注力することが、今後のキャリアパスを大きく左右します。 そのため、次のように答えることをオススメしています。 この仕事を引き受けるとなると、いま手元にあるほかの業務の進行スピードを落とすことになってしまいます。 ただ、このタスクのほうが戦略的にみて本当に優先順位が高いと私を納得させていただけるなら、お引き受けします。その場合、ほかの業務を中断できるように協力してください。 Abji氏によると、このように伝えることで今後の仕事のしやすさに影響するのだとか。 組織の成功に向けて最大限の価値を生み出す、もっとも戦略的な優先事項にのみ従事する人という印象を周囲に持たせることになります。あなたに対する認識を改めてもらうことで、優先順位の低い仕事は振られなくなります。