新作が多数登場! 〈ワタリウム美術館〉でSIDE COREが見せる都市への視線|青野尚子の今週末見るべきアート
ストリートをテーマとする彼らは屋外にも作品を展示している。〈ワタリウム美術館〉向かいの空き地には2023年秋に開催された『奥能登国際芸術祭2023』で発表した風見鶏の作品《blowin’ in the wind》が置かれている。奥能登では山の上の風力原動機の足元に設置されていたものだ。山奥の発電所でつくられた電気は都市で消費されている。《blowin’ in the wind》は地方の発電所で展示され、その後、都市で再展示されることでより意味を持つものになる。
〈ワタリウム美術館〉の向かいにあるビルの屋上には《ねずみくん》が置かれている。等身大のねずみ像はSIDE COREのメンバーたちであり、都市で暮らす人々のポートレートなのだという。ねずみは体制に反抗し、日々を生きる市民のシンボルとして使われてきた歴史もある。 9月2日からは外壁の改修工事が始まる〈ワタリウム美術館〉の外壁で壁面作品の展示も始まる(12月20日ごろまで)。参加作家はSIDE CORE、バリー・マッギー、オスジェメオスの3組だ。建物の内外で彼らの視線が街の見え方を変えていく。
『SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット』
〈ワタリウム美術館〉東京都渋谷区神宮前3丁目7-6。~2024年12月8日。月曜休(ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)。11時~19時。大人 1,500円(大人ペア 2,600円)ほか。
photo_Satoshi Nagare text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano