話題の「介護脱毛」は本当に必要? 実際の現場では"別のトラブル"が深刻...? スペシャリストに聞いた
ルックスも機能も完璧なデリケートゾーンを目指して日々フェム活に励む、フェムケア・スパ ジャーナリストの惣流マリコさん。フェム活をはじめて早10年、実際に体験したデリケートゾーンケアアイテムやクリニックメニュー、婦人科系疾患まで、女性のからだにまつわるテーマを知り尽くした一人。そこで、話題の「介護脱毛」は是か、非か? 惣流さんの見解とは。 【写真】デリケートゾーンはコレでお手入れ! iHerbで始める「フェムケア入門」
「介護脱毛」は是か? 非か?
最近、VIO脱毛の話題となると必ず出てくる単語が「介護脱毛」。いつか自分が介護を受ける立場になった時、家族やヘルパーさんなどお世話をしてくれる人たちの負担を減らすため今脱毛しておこう、という日本人らしい気遣いから生まれた取り組みです。 以前、ハーパーズ バザーの記事でも書いたとおり、レーザーや光を使った脱毛器は白い毛には効果を発揮しないため、その前にと始める女性が増えているそうです。でも正直言ってしまうと、すべての女性が行うべきものなのかは疑問です。 なぜなら頭髪同様、アンダーヘアも加齢とともにどんどん細く、薄くなるから。介護のため「だけ」に行うなら、よほど剛毛だとか毛量が多い方でもないかぎり、ムダに終わる可能性大。今の年齢や毛の状態をよくよく見てから、決めたほうがいいと思います。 ただし「介護脱毛」という言葉自体はとても便利です! 周囲から「どうしてそんなところを脱毛するの?」というぶしつけな質問を投げかけられても、「介護される時のことを考えたの」と言えばすぐに黙らせ……いえ、納得してもらえます。本当の理由は違っても、言い訳としてはアリです。
介護を見据えるなら、意識すべきは「萎縮性膣炎」対策
でももしいつか、私が介護される立場にまわったら。フェムゾーンにおける一番の心配事は「萎縮性膣炎」です。女性ホルモンの分泌が減少し、膣や外陰部の乾燥や萎縮が起きることで、若く健康な膣なら排除できていた雑菌が繁殖。 傷もつきやすくなり出血やおりもの異常、膣の灼熱感、外陰部の不快感、悪臭などさまざまなトラブルが発生します。ドクターや介護する人たちに聞くと、単純に汚れがついた毛を清潔にすること以上に気力や労力を使うそう。 老人に多いことから「老人性膣炎」とも呼ばれますが、女性ホルモンの分泌が劇的に減る閉経前からでも対策して損はありません。 日々のお手入れでは保湿。刺激の少ないデリケートゾーン用ソープを選ぶ、その後ジェルやクリームを塗るなど、乾きにくい状態に整えます。アンダーヘアを残している人は毛が水分を吸ってしまって皮膚や粘膜にまで届かないことがあるので塗り方に注意です。 すでに不調を感じている人はぜひ婦人科へ。ホルモン補充療法(HRT)や膣粘膜の若返りレーザー、注射などのスペシャルな治療に出会えます。当時、特に不調はないのに取材のため治療を受けた私も明らかにうるおいが増えて驚いた経験があります。 しかしホームケアをがんばるにしても、スペシャルな医療に頼るにしても、こうしたフェム活をするにあたり最初にやるべきことはこれ。