「資産800億円投資家」がソフトバンクとテスラには投資しないと断言する納得のワケ
投資家として800億円を超える資産を築いた清原達郎氏の投資哲学はズバリ、「逆張り」だ。どんなに優良な銘柄だとしても、丹念にリサーチしきれない巨大企業や、社長が優秀すぎて理解しきれないような企業の株は絶対に買わないという。独自の視点で投資先を見極める、清原氏の投資手法とは。※本稿は、清原達郎『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● われわれは「逆張り」で突き進む ガチガチのコントラリアン トレンドフォロワーとは、「上昇相場についていく」「相場が下がり始めたら売る」というイメージですかねえ。コントラリアンというのは日本語では「逆張り」です。「相場が暴落した時に買う」「人気のない割安株を底値で買い集める」あるいは逆に「株価がピークの時に空売ろうとする」イメージです。 我々は、間違いなく頭のてっぺんから足の先までガチガチのコントラリアンです。「コントラリアン」の特徴の1つは「株を買うと最初は決まって損をする」ということです。 小型株の場合は浮動株がなくなるまで買い続ければ表面上は損をしませんが、大型株はそうはいきません。コントラリアンは底値近辺で株を買います。でも買った値段が正確に底値である確率はとても低く、従って株を買った後さらに株価が下がる可能性は高いのです。 しかし長期的に見れば、「底値」で買おうが「底値近辺」で買おうがあまり違いはありません。3年後に3000円になる株を1000円で買おうが1050円で買おうがあまり違いはありません。 個人投資家の方でこういうコントラリアン的な底値拾いをしようと考えておられる方に申し上げたいことが2つあります。 1.買った後、株価が下がってもくよくよしない。当たり前のことが起こっただけです 2.株価が2割とか3割とか上がったぐらいでは売らないでください
● 資産価値や業績をていねいに リサーチして買うなら小型株がいい ボトムアップアプローチというのは一社一社、資産価値や業績の伸び率をリサーチしていくやり方です。バリュー投資の場合、大体がボトムアップアプローチだと思います。もちろん一社一社調べて成長株を探す場合は「成長株投資」にもなりますが。 小型株はそれぞれの会社の違いが顕著ですから一社一社見ていかないと。それにオーナー経営者も皆さん癖があるし、同じ業界でも成長したりしなかったりするのです。 何回も言いますが、成長の源泉はオーナー社長のガッツと能力ですから。社長に会って話を聞くのが一番手っ取り早いですよ。 個人投資家の方は「それはできない」ってことになるでしょうが会社のホームページでかなりのことはわかります。社長の言葉も載っていますし、中期経営計画などを見ればある程度はやる気もわかります(一般論として、計画に具体性があるほど真剣、具体性がなければやる気なし)。また、SNSで情報発信をされている社長もいるかもしれません。 皆さんがよく知っていて大勢のアナリストがフォローしている大型株だと、会社を訪問してIR担当と面談してもほとんど有益な情報は得られません。ソニーやトヨタを1年かけてリサーチしても結局何の役にも立たないと思います。ボトムアップアプローチを取る限り、大型株より小型株のリサーチをするほうが圧倒的に有益です。