「資産800億円投資家」がソフトバンクとテスラには投資しないと断言する納得のワケ
● 人気となるテーマをいち早く当てる トップダウンアプローチ この反対がトップダウンアプローチです。マクロ指標、例えば「金利」が上がると判断した時、それで恩恵を受ける会社を探して(通常)複数の株に投資をするのです。 買う銘柄を決める際には、その株が割安かどうかはあまり関係ありません。この場合だと「金利上昇でどのぐらい恩恵を受けるのか」が重要なのです。大事なのはexposure(会社の売上や利益がそのテーマにどれだけ関連しているか)です。 株式市場で人気となるテーマをいち早く当てて儲けるというアプローチも「トップダウン」です。こういう運用って、早さが勝負ですよね。ちんたら1銘柄ずつリサーチしていたら相場が終わって、また別のテーマが人気になりますから。早めに素早く買って、そのテーマが最ももてはやされる時に売らなければいけません。 例えば、「半導体」がテーマなら、「ルネサスエレクトロニクス(6723)」や「ソシオネクスト(6526)」はexposure100%です。売上の100%が半導体だからです。株式市場の言い回しだと「PurePlay(テーマになっている事業に専念する会社)」です。
でも、半導体材料メーカーだといろんなビジネスをやっていることが多くなります。その場合、「この会社の売上の何%が半導体がらみのビジネスなんだろう?」と考えることになるわけです。それが30%ならexposureが30%ってことです。いち早くexposureの高い銘柄を買い集めてしまうのがコツです。 我々はそれが苦手なんですよ。どうしても割安株にこだわる癖があって「同じexposureなら割安株のほうに投資すべきじゃないか」とかよけいなことを考えてしまいます。 ● テーマ型投資信託のローンチは 「空売り」の候補をさがすタイミング トップダウンアプローチを行う投資家の論理はこうです。 同じexposureの株があって一方はPER20倍、もう一方は30倍。「でも、それはちゃんとした理由があって違うPERで評価されているはずだ。だってPERなんて誰にでもわかることじゃないか。誰にでもわかることは株価にはすでに織り込まれているはずだ。だから気にすることはない。株価に織り込まれていないのは半導体が次のテーマになるということだ」。