「資産800億円投資家」がソフトバンクとテスラには投資しないと断言する納得のワケ
なるほど、もっともな議論です。トップダウンでも十分に金儲けができそうですね。ただ、我々はテーマ探しが下手っていうだけで。 日本で何かがテーマになると、決まって出てくるテーマ型投資信託はどうでしょうか? これは最悪です。「テーマが流行するまでに仕込んでテーマの絶頂期で売る」のではなく、絶頂期で投資信託をローンチし、すっ天井の株価でテーマ株を買いに行くのですから。 今だとテーマは「AI」ですかねえ。我々もマクロ経済について考えることはありますし、テーマについても関心はあります。でも、どちらかと言うとテーマ型の投資信託のローンチに合わせて「空売り」の候補を探す時です。 ● 孫やマスクは頭が良すぎて 何を考えているのかわからない ボトムアップアプローチは「一社一社丹念にリサーチする」と言うと聞こえはいいですが、問題もあるのですよ。 それは、すごく立派な会社にはなかなか投資できないということです。自分の頭でちゃんと理解しないと投資できないので、例えば経営者の頭が良すぎると手も足も出ません。
ソフトバンクの孫正義氏がいい例ですねえ。頭のレベルが違いすぎて何を考えていらっしゃるのかまったくわかりません。日本株ではありませんが、テスラのイーロン・マスクさんなんかもそうですよ。私が仮に米国人であったとしても絶対にテスラの株は買ってなかったと思います。 かといって、自分よりだいぶ頭が悪いと思う社長さんの会社もこれまた買う気がしないのですよねえ(当たり前ですが、バカな社長の会社の株なんか買いたくありません)。 すると、こういうことになるのです。投資する会社の社長のレベルが自分と似通ってくるのですよ。これは小型株の話ですよ。大型株は関係ありません。 私のレベルを100とすると、大体は投資している小型株の社長のレベルは70から130ぐらいの間に収まっているのではないでしょうか。自分が理解できる社長は、やはり自分と似た人になりがちなのです。 ある時、私はファンドのロングポジションのリストを眺めている時、こんな気持ちになったことがあります。 「まるで自分の顔を鏡で見てるようだ」 従って、ボトムアップアプローチでの銘柄選好にはどうしても「自分に似ている」という強いバイアスがかかってしまいます。
清原達郎