〈食べログ3.5以下のうまい店〉焼き鳥ブームの立役者が麻布十番に現る! 予約困難になる前に訪れるべし
料理人としての出発点であり19年修業した「原宿 鳥久」では、技術はもちろん接客のイロハを身につけ、「中目黒 いぐち」では流行を生む店のつくり方や経営を学んだという井口さん。同店はそんな井口さんの“やりたいこと”を注ぐ集大成でありながらも「常に『これでいいのか?』と自問自答しています」と、客に楽しんでもらえる焼き鳥を日々追求しているという。
山本さん「井口さんの常に工夫をし続けているスタンス、素敵です。 」
「昔は1本からお好みで食べるのが焼き鳥の主流でしたが、今ではコースが当たり前の時代。時代によってスタンダードが変わるように、自分の焼き鳥も“今”のスタンダードを提供していきたい」 そう話すように、「とり 難波」では王道に井口さんらしいエッセンスを加えた楽しさと驚きに満ちたコースを体験できる。
レベルの高さを体験する、食通もうなるコース構成|厳選素材と職人技が織りなす、王道の焼き鳥
「とり 難波」では、もも、胸肉、手羽先は水郷赤鶏、その他の部位は銘柄鶏を使い分けている。山本さんをうならせた「つくね」は、もも、せせり、軟骨、皮などを独自の割合で配合したジューシーで食感が楽しい逸品だ。
山本さん「うまみがしっかりしていておいしいです。」
胸肉と手羽先の間にある部位で、1羽に2個しか取れない希少部位「ふりそで」。脂がのっていながらもさっぱりとした口当たりで、身はふんわりと柔らか。
焼き鳥は一口目でガツンとおいしさが伝わるように、一番上に大きめの身を串打ちするのも井口さんのこだわりだ。絶妙な火入れ加減による、ジューシーでみずみずしい焼き上がりも秀逸である。
山本さん「全体的に完成度の高い焼き鳥です!」
焼き鳥だけじゃない! 店主のこだわりが堪能できる一品料理
「とり難波おまかせコース」8,800円を構成する、焼き鳥の合間に登場する一品料理にも食べ手を楽しませる創意工夫が満載。
身体を整える鳥スープにはじまり、季節物など3品のお通しを味わった後、焼き物に入っていく。コースの途中では、香ばしく焼き上げた鶏皮とシャリを合わせた「鳥鮨」も登場。こうした引き出しの多さも、これまでピンチョススタイルなど新しい焼き鳥を生み出してきた井口さんの真骨頂。王道の焼き鳥は踏襲しつつ、最後まで飽きずに楽しませてくれる技術と経験値にただただ感服する。