寝落ち繰り返す飲酒運転、大学生死亡 危険運転の男に懲役9年判決
酒を飲んで車を運転し女子大学生(当時20)をはねて死亡させたなどとして自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われた電気工事業白坂翔被告(24)の裁判員裁判で、名古屋地裁は13日、懲役9年(求刑懲役13年)の判決を言い渡した。 坂本好司裁判長は、被告が飲酒などの影響で寝落ちを繰り返すなど正常な運転が困難な状態で車を運転し、女子大学生をはねて死亡させたと認定。その上で「運転をやめる機会があったのに、運転を継続した意思決定は強い非難に値する」と述べた。 判決によると、被告は昨年11月28日夜、名古屋市守山区の道路で酒を飲んだ状態で車を運転。青信号の横断歩道を渡っていた女子大学生をはねたのに、事故を警察官に申告しなかった。 量刑の理由では「女子大学生は未来への様々な可能性があったのに、突然の事故で命を絶たれ、肉体的苦痛や無念さは計り知れない」と指摘。飲酒運転による重大事故が社会問題となって久しいにもかかわらず、悲惨な事故が後を絶たない現状も考慮した、とした。 判決の言い渡し後、坂本裁判長は「『このくらい大丈夫』と軽く考えて飲酒運転をしたことが重大な結果を招いた。一生忘れずに償う気持ちを持ち続けてくれたら、というのが私たちの願いです」などと被告に語りかけた。被告は、うつむいたまま小さくうなずいた。(渡辺杏果)
朝日新聞社