日本一のラーメン店「飯田商店」が、ロンドンの王室御用達レストランで英国セレブたちを唸らせた!
そして英国が誇るコース料理をいただいたあとは、お返しとしてモシマンズの“裏方”であるシェフ(料理人)やスタッフたちに、醤油ラーメンを振る舞うことになった。同店のピカピカの厨房で、飯田さんの右腕を務めてきた渡邉さんが、麺を茹ではじめる。それを取り巻きながら、食い入るように見つめるモシマンズの料理人、スタッフたち。飯田さんが温めたスープを日本から持ち込んだ丼に注ぎ入れると、その動きを一瞬たりとも見逃すまいと、料理人たちがさらに身を乗り出す。たちまち、厨房じゅうに醬油スープと鶏油(チーユ)の、食欲を刺激する香りが充満する。
そのかぐわしさにつられて、厨房の外にいたスタッフらも、厨房真ん中のカウンターに集まってきた。飯田さん、渡邉さん、弟子たちが順番にラーメンの入った丼を渡していく。すると皆、最初は戸惑いながらスプーン&フォークを動かし始めるのだが……。 「アメージング!」 「なんだ、このスープは! 何という旨さだ」 「ヌードルもなめらかで最高だ!」 醤油ラーメンを口にしたとたん、驚く料理人たち。フォークを駆使しながら、全員が“日本一のラーメン”を完食していく。 「いやあ、うれしいですね! 料理人同士、言葉は通じなくても、お互いのおいしい料理を食べていま、心がつながりました。モシマンズではいろいろ勉強させてもらって、さまざまなものを得ましたが、一番の収穫はラーメンのすごさ、可能性を再認識できたこと。おいしいものは、本当に国境を超えるんですね!」 取材・文・写真/萩原はるな