「ポトッ…と黒い水が」男子バレー山内晶大(30歳)“代表引退”発言の真意を語る「まずは絶対優勝」204cm長身ブロッカーが探す違和感の正体
多くのバレーボーラーが特別な想いで臨んだ「大同生命SV.LEAGUE」の開幕。本稿では、日本代表としてパリ五輪を戦い抜いたミドルブロッカーたちの“その後”を追った。第1回はパリ五輪を“Last Dance”と位置付けた山内晶大(30歳)のインタビュー。【全3回/小野寺太志編、高橋健太郎編に続く】 【秘蔵写真】「身長が伸びすぎて病院に…」“204cm”山内晶大ビックリ幼少時代…赤ちゃんの頃から手脚長っ!「仲良すぎなミドルトリオ」「涙が止まらない高橋藍」「ブランの前で子供のように泣く西田」も全部見る(200枚超) 主将として迎える4度目のシーズン。例年、開幕に向けて士気は高まるが、今季はこれまで以上に特別だった。 大阪ブルテオンの山内晶大は、サントリーサンバーズ大阪との開幕戦を前に「絶対勝ちたい」と意気込んでいた。 「SVリーグの開幕戦は、一生に一度、この試合しかないじゃないですか。チーム自体も“大阪ブルテオン”になって初めての試合なので。そこは勝ちたいですよね。今までよりだいぶ、気合入ってます」 10月11日、東京体育館で行われたサントリーとの開幕戦は、有言実行とばかりに3対0のストレートで完勝を収めた。 試合後のミックスゾーンでは「(入場時の)オーケストラの演奏に興奮した」と笑みを浮かべながらも「注目が集まる中で勝ててよかった」と1勝目の喜びを噛みしめる。 就任当初は「キャプテンの器じゃない」と不安ばかり口にしていたが、チームのリーダーとして先頭に立つ姿も、すっかり板についてきた。ホームゲームでは、試合直後のコートでマイクを握り、来場者へ感謝を伝えるのも山内の役割。開幕以後も好調を維持、5勝1敗で首位を走るブルテオンの欠かせぬキャプテン、ミドルブロッカーとして存在感を発揮している。 日本代表としても経験を積んできた。2014年の初選出以後、東京とパリと2度の五輪を経験。フロントでの攻撃に加え、サーブでも点が取れるミドルとして、コート内で発揮する存在感も含め、まさしく円熟期を迎えている。 11月で31歳。世界を見渡せば、まだまだ継続して活躍できるだろうと確信しているが、パリ五輪後に山内は自らのインスタグラムで「Last Dance」と投稿し、代表引退を示唆した。 なぜパリ五輪を“最後の舞台”と位置づけたのか。 「いつまでもずっとではなく、ここ(パリ五輪)で、という思いがありました。現実的なことを言えば、年齢的にも当然4年後よりは今のほうがいいし、監督も代わってそもそも選ばれるかもわからない。東京の時は、内心(五輪出場の12人に)選ばれるかな、大丈夫かなという不安もあったけど、今回に関しては選ばれる自信があった。じゃあそこで、選ばれた後にどうする? と考えたら、これで最後になるかもしれない、と覚悟を持って『これで終わりだから』と決めて臨むことで心を燃やしたかった。もう次はないんだ、って。その覚悟を持って臨みたい、と思ったから、あえて“最後”と言いました」 静かな口調で、時折笑みを携えながら、山内が夏を振り返った。
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