「ポトッ…と黒い水が」男子バレー山内晶大(30歳)“代表引退”発言の真意を語る「まずは絶対優勝」204cm長身ブロッカーが探す違和感の正体
山内が感じ取っていた“異変”
近年、好成績を残した男子バレー日本代表は、パリ五輪のメダル候補筆頭に位置づけられていた。国際大会や、国内での公開練習、パリへ渡ってからも連日多くのメディアが訪れ、わざわざ調べなくても自分たちに大きな期待が寄せられていることはわかった。 だが、チームには異変が生じていた。パリ五輪前に時差調整も兼ねて実施されたポーランド合宿の時から、山内はある違和感を抱いていた。 「ここ数年で一番悪いんじゃね? と思うぐらい、状態がよくなかった。みんな気合を入れすぎているというか、力が入りすぎているというか。去年のネーションズリーグで初めてメダルを獲った時とか、OQT(五輪予選)でエジプトに負けてから五輪出場の切符をつかむまでのイケイケ感はなかった。パスやコンビ、僕で言えばブロック。みんながみんな、ちょっとした違い、違和感を持ちながらやっていたので、少なくとも絶好調ではなかったですね」 その不安は選手村に入村してからも完璧に払拭できたわけではなかったが、開幕が近づけば心も昂ぶる。何よりこれが日本代表として臨む最後の大会なのだから「今までやってきたことを信じて、割り切ってやろう」とパリ五輪を迎えた。 あの時の“違和感”を、最悪の形で突き付けられたのが8月5日、準々決勝のイタリア戦だった。 「勝てるだろ、これ、行けるでしょ」 最初の2セットを完璧な形で連取し、第3セットも24対21、日本が3点のリードを得た。山内は後衛に下がっていたためベンチにいた。いつもならば、どんな状況でもまた自分が前衛に回るかもしれないとベンチに座って汗を拭い、身体を休めることに努めるが、その時ばかりは眼前に迫る勝利を確信し、気が急いた。 勝利の喜びを共に味わおうと、リザーブエリアで準備していた選手のもとへ駆け寄り、肩を組み、その瞬間を待つ。だが、難なく取れると信じた1点が遠い。 あれ? 24対21から1点、また1点とイタリアが得点を返す。24対23になったところで再びベンチに戻った。そしてシモーネ・ジャネッリのサービスエースで24対24。同点に追いつかれた時に抱いた違和感を、山内は独特の表現を交えて回想した。
【関連記事】
- 【秘蔵写真】「身長が伸びすぎて病院に…」“204cm”山内晶大ビックリ幼少時代…赤ちゃんの頃から手脚長っ!「仲良すぎなミドルトリオ」「涙が止まらない高橋藍」「ブランの前で子供のように泣く西田」も全部見る(200枚超)
- 【つづき→第2回:小野寺太志 編】「お前のせいで負けた」男子バレー小野寺太志に届いた誹謗中傷…それでも“笑って消化”した理由「辞めたいなんて…1ミリも思わなかった」
- 【つづき→第3回:高橋健太郎 編】亡き先輩に誓った“覚悟の移籍”…男子バレー高橋健太郎「優勝してまた報告しに行く」愛する家族とも離れて単身赴任「毎日テレビ電話で泣いてる」
- 【ホントの話】「身長伸びすぎて病院に…」男子バレー“204cm”山内晶大の母が語る、スポーツと無縁の息子の運命を変えた電話「お母さん、学校に来てください」
- 【引退真相】「じつは破格1億円オファーを断っていた…」女子バレー古賀紗理那“まだできる”の声に本音「復帰は絶対にない」“28歳で引退決断”の真相