「ポトッ…と黒い水が」男子バレー山内晶大(30歳)“代表引退”発言の真意を語る「まずは絶対優勝」204cm長身ブロッカーが探す違和感の正体
「透明な水の中に、黒い水がポトッと…」
「透明な水の中に、ポトッと1滴、黒い水が入る感じ。全体を見ればまだ透明なんですけど、あれ、今なんか黒いの入ったよな? って。明らかにそれまでとは違う感触があった。でもその時は『いや大丈夫、あと1セット取ればいいんだ』と思っていたし、実際にやるべきこともできていたと思うんですけど、今思い返すとやっぱり3セット目までとは違った。決まっていたコースに決められなくなって、相手が上回ってきた。最初は透明な中に1滴、ポトッと落ちて来た黒い水がどんどん増えて、ポトポト、ボトボト、って入り続けて、最後は真っ黒になる。だから、負けた。僕の中ではそういう印象でした」 違和感の正体は何か。今考えても答えにはたどり着けない。 やるべきことはやってきた。むしろ、やり残すことがないように、イタリア戦の前日まで「完璧だ、という手ごたえをつかみたかった」と、サーブ練習を省いてセッター関田誠大とのスパイク練習に時間を割いた。小さな不安の一つも残らないように払拭させてきたつもりだったが、残ったのは「準々決勝敗退」という事実だけ。 試合の熱が残るコートで集合写真を撮り終えても、まだコートから離れがたくて悔し涙を流しながら「みんなが無駄に居残っていた」。抑えてきた感情が爆発したのは、ふとスタンドを見上げた時だ。満員の観客が拍手する姿が見え、多くの日の丸が揺れていた。 こんなにたくさんの人たちが応援してくれたのに、勝てなかった。もう、終わりなんだ。 溢れる涙を拭いながら歩く先に、パナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)で7シーズン、共にプレーした元ポーランド代表の主将、ミハウ・クビアクがいた。同じ年にパナソニックに加入し、プレースタイルから考え方まで「クビのおかげで自分が変わった」と感謝と尊敬を抱く盟友の姿を見つけると、山内の涙腺は崩壊した。 「抱き寄せられて『お前たちはよくやった。お前はすごいプレーヤーだよ』って。そんなこと言われたら大泣きしますよね。一気に爆発して、泣きまくって、終わったんだ、って実感しました」
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