この秋冬、インフルエンザなどの感染症から赤ちゃんを守る基本5カ条とは?【小児科医に聞く】
今年も寒い季節がやってきます。寒い季節は、赤ちゃんがインフルエンザやウイルス性胃腸炎などの感染症にかかりやすい時期。これらの病気は赤ちゃんがかかると重症化しやすいので注意が必要です。この秋冬、感染症から赤ちゃんを守るために親が注意したいポイントについて、小児科医の森内浩幸先生に聞きました。 【画像】ノロ、ロタ、コロナなど各感染症、主な感染経路を一目で解説
赤ちゃんの感染症を予防するための基本5カ条
赤ちゃんの感染症を予防するための、生活の注意点を聞きました。
1.家族が家に病原体を持ち込まない
基本的に家で過ごす時間が多い赤ちゃんは、自分から病原体をもらいに行くことはありません。気をつけたいのは、大人や年上のきょうだいからの感染。外から病原体を持ち込まないよう、マスクの着用や手洗いなど、感染対策を心がけて。
2.赤ちゃんの普段の様子を把握しておく
自分で症状を訴えられない赤ちゃん。大人が「いつもと違う」と気づくことが重要です。おっぱいやミルクの飲み方、眠りの状態など、機嫌のよしあしなどをチェック。普段と違う様子に気づくことが病気の早期発見につながります。
3.住んでいる地域の感染症の流行情報をチェックする
赤ちゃんの感染症は季節を問わず、地域ごとに流行する傾向があります。とくに保育園や幼稚園単位で流行が起こるケースがほとんどです。住んでいる地域で、どんな感染症がはやっているのか、注意しておきましょう。
4.生活リズムにメリハリをつけ、体調を整える
生活リズムを整えることが健康への第一歩。赤ちゃんの睡眠や食事サイクルは大人の影響を受けるので、家族で規則正しい生活を心がけて。日中は体を動かして遊び、遅くとも21時には部屋を暗くして就寝を。
5.積極的に赤ちゃんの予防接種を受ける
乳幼児期の重篤な病気の多くは予防接種で防げますし、感染しても重症化を避けることができます。外出することで病気に感染するのを恐れて、健診や予防接種を控えるのは危険。必ず予定どおりに受けましょう。
予防は大切だけれど、感染を恐れて赤ちゃんと外出しないのはNG!
感染症を予防するために人混みを避けるなどの対策は必要ですが、外出をいっさいしないのは、赤ちゃんの成長にとってよくありません。大人が感染対策をした上で、人が少ない場所を一緒にお散歩したり、換気がされている場所で人と触れ合ったりする時間も大切にしましょう。 取材・文/ひよこクラブ編集部 赤ちゃんがかかると重症化しやすい感染症もあるので、ママ・パパは必要な対策をしっかりとして、予防してあげましょう。その上で、感染状況を見ながら適度にお出かけもして、親子で健康的に秋冬を過ごしたいものです。 ●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。 参考/『中期のひよこクラブ』2024年秋号「赤ちゃんvs秋冬の感染症 何に気をつける?」 監修者 森内浩幸 先生 PROFILE:医学博士。小児科医。長崎大学大学院 小児科学教授。 長崎大学医学部卒。日本小児感染症学会理事長。日本ウイルス学会理事。日本臨床ウイルス学会幹事。アジア小児感染症学会常任委員会メンバーを務める。
たまひよ ONLINE編集部