ラーメン官僚が太鼓判を押す、栃木県の本当に美味しいラーメン【1】
競合ひしめく那須エリアに登場した白河ラーメンの新星 『白河手打中華 玲』
先述のとおり、那須エリアは、福島県白河市を中心に同心円状に広がる、ご当地ラーメン「白河ラーメン」の勢力圏。 一例を挙げるだけでも、『手打焔』、『手打ちラーメンふくべ』、『白河中華そばよし川家』、『とらや分店』といったラーメン好きなら必食の名店から、2022年5月に開業した新星『白河手打中華そば緑川 とら食堂那須塩原分店』、本場・白河市からの移転組である『中華そば葵』に至るまで、枚挙にいとまがないほどの白河ラーメン提供店が存在する。 そんな猛者たちに囲まれながらも、2023年2月17日に産声を上げ、オープンからわずか1年余りで、提供する1杯のクオリティがすこぶる高いと、ラーメン好きの間で評判となっているのが、今回ご紹介する『白河手打中華玲』。店主は、福島県白河市のレジェンド級名店『やたべ』で麺打ちを学び、満を持して、西那須野の地で自店を構えた腕利きだ。 『白河手打中華~』という屋号からも一目瞭然だが、『玲』が提供する麺メニューは、もちろん「白河ラーメン」。現在、基本メニューの「手打中華」、及び、そのバリエーションである「ワンタン麺」、「チャーシュー麺」、「チャーシューワンタン麺」の計4種を用意。オススメは、チュルンと滑らかな衣が触覚を通じて快楽中枢へと訴えかけるワンタンが堪能できる「ワンタン麺」だ。
油断すると舌に火傷を負ってしまいそうになるほど熱々の状態で提供されるスープは、鶏をはじめとする動物系素材の“粋”が余白なく切り出され、終始、上質なうま味が味覚中枢を心地良くくすぐり続ける、会心の出来映え。カエシの風味も、色気のある香気が鼻腔に長時間とどまり続ける、「白河系」の王道。スープに香りを添える油の分量も絶妙な塩梅で、思わず感嘆の声が漏れ出してしまうほど高い完成度を誇る。 このスープとコンビを組む自家製手打ち麺も、コシの強さと舌触りの良さを兼ね備えた、『やたべ』の教えが十二分に活かされた逸品。当然のことながら、スープとの相性も申し分ない。 開業してから1年少々とは思えないほどの貫禄とオーラをまとった優良杯。こんな1杯を出されたら、スープの最後の一滴まで飲み干さざるを得ないだろう。