カメラが見た捜査本部 壁一面の捜査カレンダーに警視庁の執念が… “ルフィ事件”の舞台裏
日本を震撼させた指示役「ルフィ」らによる連続強盗事件。SNS、闇バイト、そしてフィリピンからの指示。首謀者らが姿を見せずに犯罪集団を裏で操り、犯行に及んだこの事件は警察へのかつてない挑戦だった。全国8つの事件で指示役などとして4人の男が逮捕・起訴されたが初公判のメドはまだ立っていない。警視庁が威信をかけてつくった異例の捜査態勢。捜査員およそ50人が執念の捜査を繰り広げた捜査本部の内部の取材が初めて許された。(日本テレビ警視庁クラブ) 【動画を見る】これがリアル 警視庁の威信をかけた異例の体制 “ルフィ”を追った捜査本部にカメラが入った
■担当の壁を越えて…前例のない捜査本部を設置
2022年から2023年にかけて全国で相次いだ強盗事件。実行役が次々と逮捕されてもなお、事件は止まることはなかった。そして、2023年1月19日。最悪の事態が起きた。東京・狛江市で90歳の女性が死亡した強盗事件が発生。一連の強盗事件で初めての死者が出た。 実行役らへの捜査で指示役の名前として出てきたのは「ルフィ」「キム」といったハンドルネーム。SNSで闇バイトとして実行役らを募り、強盗事件を起こす首謀者たちの存在。実行役らは「ルフィ」が誰なのかその正体を知る者はいなかった。 捜査で浮上したのはフィリピンの収容所にいた特殊詐欺グループの幹部・渡辺優樹被告ら4人の存在。警視庁は部署の垣根を越えた前例のない「総合捜査本部」を設置。警視庁刑事部で殺人や強盗などを扱う捜査一課、詐欺などを扱う捜査二課、窃盗などを扱う捜査三課で合同チームを結成した。さらに全国から捜査員が加わり約50人態勢で捜査が行われた。 そして、およそ1年かけて警視庁は全国8つの事件で指示役を特定し逮捕。4人全員が一連の強盗事件の指示役などとして起訴された。
■捜査員の執念を「映像で伝えたい」
日本テレビ警視庁クラブも総力で取材し連日報道した“ルフィ事件”。フィリピンにいた男たちを強盗事件の指示役として逮捕するというのは並大抵のことではないと感じていた。そして、「狛江事件」で指示役を特定し逮捕に至った時、捜査員が捜査幹部に涙しながら報告に行ったという話を聞き、この大きな事件の裏側に捜査員の熱意と執念の捜査があったことを絶対に伝えたいという思いが強まった。テレビ報道だからこそできる「映像で伝える」ことにこだわりたかった。