ほら!だから言ったじゃん!…世帯年収1,100万円・共働きの30代仲良し夫婦「待望の第一子」妊娠で“親に甘えて”マイホームを購入→わずか2年で「離婚の危機」に陥ったワケ【CFPが解説】
A夫婦の「家計破産」を救うには
A夫婦によると「購入したマイホームはできるだけ手放したくない」とのこと。そのため、現在のA家の家計で、新居を保持するために、次の3つの改善策を早急に実施するように提案しました。 1.現在の無駄な支出を見直す 2.副業や転職をして収入を増やす 3.返済をしている銀行に事情を話して、善後策を協議する まずは、「家計収支の黒字化」が急務です。上記1と2は同時に行い、支出が収入に収まるようにします。 また、利息の支払額は増えますが、銀行に返済期間を延長してもらい、毎月の返済額を減らすというのもひとつの手です。 あるいは、2人の気持ちが変われば、銀行の合意を得て住宅の任意売却をしたり、賃貸住宅に引越していまの自宅を賃貸に出したりすることで、家賃収入を得ながらローンを返済していくといった方法もあります。 夫婦は「いまの状況が可視化され、具体的な対策がわかってよかったです。焦りとストレスから2人の仲も険悪になっていたのですが、2人でよく話し合って対策を考えてみます」と、幾分ほっとした表情でその日は帰っていかれました。 A夫婦の「妥当な住宅購入価格」とは? 筆者が考えるA夫婦の「妥当な住宅購入価格」は、およそ7,200万円です。 夫婦の返済額は、Bさんが1,000万円の頭金を負担したとして、6,200万円を夫婦の持ち分割合で返済すると、当初の毎月の返済額は、Aさんは13万9,900円、Bさんは4万5,500円、夫婦で18万円5,400円となり、現在より毎月7万7,800円返済額が減ります。この試算は、変動金利で6年ごとに125%ずつ※金利が上昇した時も考慮した計算です。 ※ 変動金利で借り入れたときに、金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額が変わらないのが「5年ルール」。さらに、5年経過後の6年目からの毎月の返済額は、いままでの返済額の125%の金額までしか上げられないのが「125%ルール」。このルールはすべての金融機関で行われているわけではない。 また、住宅ローン控除が適用される新築の場合、13年間で、Aさんは270万円、Bさんは97万円それぞれ所得税が控除されます。 よって、A夫婦の給与と返済比率から妥当な住宅購入価格を試算した結果「7,200万円」となりました。 住宅は、いうまでもなく高価な買い物です。住宅ローンを組む場合には、たとえ「大丈夫!」という人がいても、その借入額が適正かどうかを慎重に見極め、生涯マイホームとともに生活していけることを自身で確認のうえ、購入を決断することが大切でしょう。 牧野 寿和 牧野FP事務所合同会社 代表社員
牧野 寿和
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