高校生たちが奈良・曽爾村の獅子舞を題材にした絵本を制作 「子供たちに読み聞かせて」
奈良県立添上高校(天理市)の人文探究コース2年生21人が、同県曽爾村に伝わる獅子舞と天狗の民話をもとに絵本「そにむらゴンちゃん!」を制作した。村を通じて村内の保育所や小中学校、図書館などに配布される予定で、生徒らは「ぜひ地域の子供たちに読み聞かせしてほしい」と話している。 同コースでは、令和3年度から村と連携して、村民と交流するフィールドワークを重ね、村の課題解決を模索する活動を行っている。 生徒たちは今回、村に300年以上伝わり、毎年10月に門僕(かどふさ)神社で披露される「曽爾の獅子舞」に着目。後継者不足や新型コロナウイルス感染拡大による祭りの中止などによって、伝承が難しくなっていることから、子供たちに曽爾の獅子舞の魅力を伝える絵本を作ることを思いついた。 絵本は獅子舞のゴンちゃんが、天狗のテンくんを通じて、村人たちと仲良くなる-というストーリーで、60冊を製本。3年の石原さくらさん(17)は、村に伝わる獅子舞の演目の一つ「道化獅子」を参考にして絵本の文章を考えたといい、「子供たちに興味を持ってもらえるよう、親しみやすい文章を心がけた」と振り返った。 絵を描くことが趣味だという3年の本村愛澄(あずみ)さん(17)は作画を担当し、「タブレットを使って手描きした。キャラクターの愛らしさや、やさしい水彩タッチを心がけた」と笑顔を見せる。 2人は芝田秀数村長に読み聞かせを行った後、10冊を寄贈した。芝田村長は「とても素敵な絵本を、ありがとうございます」と喜んだ。 絵本は添上高校のユーチューブチャンネルで閲覧が可能。