もはやアート。和の伝統工芸を取り入れたクレドールの限定ウォッチ
セイコーのなかでも豪華な宝飾などを使い、デザインに優れた高級ドレスウォッチのブランドとして知られるクレドール。そのクレドールが今年50周年を迎え、さまざまなアニバーサリーモデルをリリースしましたが、そのフィナーレとして「クレドール ゴールドフェザー」のリリースがアナウンスされました。 【全画像をみる】もはやアート。和の伝統工芸を取り入れたクレドールの限定ウォッチ オリジナルのゴールドフェザーは1960年代にリリースされたセイコーのドレスウォッチで、その名前が示すように羽根のように薄いケースデザインが持ち味でした。今回はその薄さを生かしつつ、漆芸や彫金といった和の伝統工芸を取り入れています。
加賀蒔絵と彫金の繊細さ
漆芸は、金沢に伝わる「加賀蒔絵」職人の田村一舟氏によるもの、漆器のみならず高級万年筆や腕時計なども多く手がけている名工です。 この時計もダイヤル外周に漆黒の漆のなかを金の羽根が舞う姿が見えますが、これは金粉とプラチナ粉の形状や大きさの違いを見極めながら、1粒ずつ丁寧に手作業で散りばめて描いたもの。羽毛の微妙なニュアンスまでも感じられる繊細な蒔絵はフリーハンドによるもので、細やかな磨きを重ねていったことが伺えます。 スケルトンで視認できるムーヴメントには、ブリッジなどに細やかな羽根状の彫金が施されています。羽根を形作るラインは、“バイト” と呼ばれる専用工具の刃先を使い分け、筋目とミラー仕上げをうまく組み合わせています。その繊細さは、クレドールの彫金技術の高さを示しているといえるでしょう。
もはや芸術の域
ムーヴメントは厚さわずか1.98mmの「キャリバー6899」を搭載。プラチナ製ケースに、漆と彫金のオリエンタルな雰囲気がよくマッチしています。直径40mmにも満たないダイヤル上に、これだけの世界観を表現しているのはちょっと圧巻ですね。もはや芸術品です。 発売予定日は10月25日。12本限定、価格660万円という高額レアピースですから、簡単に入手はできないでしょうが、時計好きならその姿だけでもぜひ拝んでみたいものです。おそらく全国の主要なクレドールサロンなどには展示されると思われますから、店頭でチェックしてみてください。 Source: SEIKO
巽英俊