魯山人、ユトリロ、若冲や応挙…冬の京都「巨匠の美に触れる展覧会」必見の3選
企画展「若冲と応挙」
18世紀の京都では多くの絵師が活躍しました。そのなかでも今もファンが多いのが伊藤若冲と円山応挙です。相国寺承天閣美術館ではこの2人に注目した企画展「若冲と応挙」が2024年1月28日(日)まで開催されています。 相国寺と伊藤若冲の関係を軸に、相国寺と相国寺塔頭が所蔵する作品を一挙公開。特に現在公開中のⅡ期では伊藤若冲の傑作を多く見ることができます。
相国寺の高僧・梅荘顕常(ばいそうけんじょう)に才能を見いだされ、支援を受けながら腕を磨いた伊藤若冲。若冲が相国寺に寄進した《釈迦三尊像》と《動植綵絵(どうしょくさいえ)》(全30幅)は、現在毎年6月に相国寺方丈で行なわれる特別な儀式で飾られ、今回もほぼ同じ配置で展示。なお《動植綵絵》の実物は宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵しているため、コロタイプ印刷による精密複製画での公開となります。 若冲を代表する水墨画の作品《鹿苑寺(ろくおんじ)大書院障壁画》五十面も展示。若冲が四十四歳のとき、鹿苑寺(金閣寺)・大書院の障壁画全五十面の制作を担ったもので、重要文化財に指定されています。 さらには円山応挙の《牡丹孔雀図》(重要文化財)、《大瀑布図》(重要文化財)といった作品も展覧。若冲とは異なる画技をじっくりとお楽しみください。 ■企画展「若冲と応挙」 京都市上京区今出川通烏丸東入 相国寺承天閣美術館 会期/~2024年1月28日(日) 開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/12月27日(水)~2024年1月5日(金) 拝観料/一般800円、65歳以上・大学生600円、中高生300円
「生誕140年・和の美を問う 北大路魯山人展」
京都・上賀茂神社の社家に生まれ、美と食の天才と言われる北大路魯山人(1883-1959)。陶芸をはじめ書、絵画、漆芸など、幅広い芸術の世界で名を馳せ、さらには美食家としても有名です。今年で生誕140年を迎えるにあたり、12月24日(日)まで何必館・京都現代美術館にて「生誕140年・和の美を問う 北大路魯山人展」が開催されています。 「陶」「書」「茶」「花」「食」の5つのテーマで、個性あふれる作品約100点が古材や更紗、根来などと取り合わせて展示されています。「使う」ことで一層の輝きを放つとされ、生涯をかけて日本の美と食を追求した北大路魯山人の「和の美を問う」精神を感じることができそうです。
美食へのこだわりを持ち、追求し続けていた魯山人。その実践の場として創設した「美食倶楽部」や「星岡茶寮」は、当時第一級の政治家や財界人、文化人らが集うサロンとして注目されました。さまざまなジャンルに精通し、統合する創作家でもあった魯山人。そのこだわりに触れてみる機会となりそうです。 ■「生誕140年・和の美を問う 北大路魯山人展」 京都市東山区祇園町北側271 何必館・京都現代美術館 会期/~2023年12月24日(日) 開館時間/10時~18時(入館は17時30分まで) 休館日/月曜 入館料/一般1,200円、学生1,000円