魯山人、ユトリロ、若冲や応挙…冬の京都「巨匠の美に触れる展覧会」必見の3選
京都の美術館では芸術家にフォーカスした展覧会や、技法に注目した企画展が開催されています。冬に向かって冷え込む日も増えてきた京都。ゆっくりと芸術を楽しむ一日はいかがでしょうか。
「生誕140年 ユトリロ展」
パリの風景を描く画家・モーリス・ユトリロ(1883-1955)の生誕140年を記念した展覧会「生誕140年 ユトリロ展」。美術館「えき」KYOTOで12月25日(月)まで開催されています。 哀愁漂う風景画が人気を博したモーリス・ユトリロ。なかでも評価が高い、「白の時代」と呼ばれる1908~1914年頃に描かれた作品を中心に、初期の「モンマニ―の時代」、1915年以降の色使い豊かな「色彩の時代」、そして晩年と、モーリス・ユトリロを全時代に渡って展覧します。 10代でアルコール依存症となり、治療のために絵を描き始めたユトリロ。その才能が開花し、やや暗い色調で風景画を描いた時期は「モンマニ―の時代」と言われています。その後、白壁の建物を中心に描く「白の時代」では、少しくすんだ白や黄色がかった白で街並みを表現。トルシー・アン・ヴァロワにある教会を描いた代表作とも言える《可愛い聖体拝受者》、トルシー=アン=ヴァロワの教会(エヌ県)は、絵の具を何度も塗り重ねた技法が特徴的です。
1928年にレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ章を受章し、エコール・ド・パリの代表的な画家の一人として名を連ねるようになりました。木々の葉の緑色やレンガの赤色など、白の時代を経て、鮮やかな色彩が生まれています。 美しい風景とユトリロの人生と添うように変化した色彩を、どうぞご覧ください。 ■「生誕140年 ユトリロ展」 京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接 美術館「えき」KYOTO 会期/~2023年12月25日(月) ※会期中無休 開館時間/10時~19時30分(入館は19時まで) 入館料/一 般1,000円、高・大学生800 円、小・中学生600円