W杯当落線上の久保建英が語った序列をアップさせるための条件とは?「フィジカルよりスピード」
待望のA代表初ゴールを決めた日本代表MF久保建英(21、マジョルカ)が、ガーナ代表戦から一夜明けた11日にオンライン取材に応じた。3試合連続ゴールをマークした昨夏の東京五輪を例に出し、14日のチュニジア代表戦(パナソニックスタジアム吹田)へ意気込んだ久保だが、課題とされるフィジカルには「いま以上は必要としていない」と反論を展開。カタールワールドカップでの代表入りへの自らのテーマを直接フリーキックとスピードだと明かした。
「僕は1点を取るとその後も続く」
怒涛の“固め打ち”を演じた昨夏の感覚が蘇ってくる。 すべて先制点となった東京五輪のグループリーグを含めて、昨年6月以降のU-24代表戦で久保は5ゴールを決めた。あれから1年。デビューから17試合目のガーナ戦でようやく決めたA代表初ゴールに「気持ちが吹っ切れている分、いつもの正確性も出てくると思う」と一夜明けて臨んだオンライン取材で言葉を弾ませた。 「逆に1点を取るまでが長いという見方ができるかもしれないし、そこはみなさん次第だと思いますけど、確かに僕は1点を取るとその後も続く、というのが代表ではあるので、次にチャンスがあれば積極的にゴールを狙っていきたい」 ガーナ戦では出場した国際Aマッチで、4試合ぶり4度目の先発フル出場を果たした。しかし、身長173cm体重67kgの久保は体格で上回られる相手選手に吹き飛ばされ、ノエビアスタジアム神戸のピッチで苦悶の表情を浮かべるシーンも少なくなかった。 当然ながらオンライン取材でも、外国勢とのフィジカルの差が問われた。少しでも近づくために、今後さらに鍛え上げていくのか。それとも、まったく異なる選手像を思い描いているのか。苦笑した久保が選んだのは後者だった。 「フィジカルは別に鍛えていこうというか、もちろんいまも鍛えていますけど、昨日もほとんどが相手のファウルだったので。まあ僕の変なイメージもついていると思いますし、そこでフィジカルと言われても結局ファウルはファウルなので」 おもむろに言及した「僕の変なイメージ」とは、ピッチに転がされて試合の流れを止めてばかりだ、というネット上の指摘や批判を指しているのだろう。身長191cm体重94kgの威風堂々たる体躯を誇るベルギー代表FWロメル・ルカク(29、チェルシー)を引き合いに出し、強気と遠慮とを織り交ぜながら久保は持論を展開した。 「変な話、僕がファウルされるのもルカク選手がファウルされるのも一緒のこと。自分で言うのもあれですけど、僕の嫌らしいボールの持ち方で相手が足を出してくる。主審が取ってくれる、くれないはありますけど、昨日に関しては8割方がファウルだったので。その意味では、何て言うのかな、自分が意図してボールを持った結果であり、判断ミスであるとか、自分の能力をわかっていない、というわけではないので」