【阪神JF】能力は文句なし、米国馬メイデイレディが最有力 国内ならアルテミスS覇者ブラウンラチェットが筆頭
ブラウンラチェット筆頭も
日本勢は2連勝のブラウンラチェットを筆頭にデイリー杯2歳Sを勝ったランフォーヴァウ、札幌2歳S2着アルマヴェローチェ、無敗のクリノメイ、ビップデイジー、ファンタジーSを制したダンツエラン、コートアリシアンあたりが上位を担う。 GⅠ挑戦となると、やはりオープン、重賞での経験は強みになる。前走1勝クラス組は【1-4-1-46】勝率1.9%、複勝率11.5%と勝ちきれない。若駒はあまりレースの格やクラスを意識しないものだが、データ上は格を意識せよと出ている。前走GⅢ組は【8-3-7-61】勝率10.1%、複勝率22.8%で、勝ち馬8頭はここから出た。 なかでも前走アルテミスS組は【5-3-3-19】勝率16.7%、複勝率36.7%と強力だ。その着順内訳は1着【3-1-1-4】勝率33.3%、複勝率55.6%、2着【2-1-1-3】勝率28.6%、複勝率57.1%。賞金加算に成功した馬が中心となる。 確実に出走可能のブラウンラチェット、ミストレスは馬券に入れないといけない。とはいえ、前後半800m47.7-46.1の超スローを好位から抜けたブラウンラチェット、逃げたミストレスはどこまで高く評価すべきか迷う。ラスト600m11.5-11.1-11.0と加速ラップを描くも、スローならこのぐらい記録しても不思議ではない。今秋の東京は絶好の馬場で、上がりの速いレースが続出した。 前走ファンタジーS1着馬は【2-0-1-5】勝率25.0%、複勝率37.5%。アルテミスSと比べれば、劣勢は否めない。今年は舞台が同じ京都なので親和性は深まるか、注目だ。 そのほかでは、劣勢ながら、1着1頭、2着4頭の前走1勝クラス組は簡単には切れない。その距離内訳は同距離【0-4-1-25】複勝率16.7%、距離延長組【1-0-0-20】同4.8%。14年ショウナンアデラが勝って以来、距離延長組の好走はない。サフラン賞を勝ったクリノメイ、アスター賞のジャルディニエあたりが候補だ。 インパクトでいえば、メイデイレディと肩を並べる存在はいない。国内組の序列はきっちり決めつつも、今年はメイデイレディにかけてもいい。それだけの存在だ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳