ソフトバンク DeNAから上茶谷を獲得 「まずは先発でチャレンジしてもらいたい」
出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるために一昨年から導入された現役ドラフトが9日、オンラインにより非公開で開催された。広島のみ2巡目を行い、12球団13選手の移籍が決まった。ソフトバンクはDeNAから上茶谷大河投手(28)を獲得。今季はリリーフ起用だった2018年ドラフト1位右腕だが、球団は先発で起用する方針だ。また、吉田賢吾捕手(23)は日本ハムへの移籍が決まった。 選んだのは18年のドラフト1位・上茶谷だった。午後6時過ぎに永井智浩編成育成本部長が対応し、獲得に至った理由を語った。 「もともとドラフト1位で指名された選手。能力は評価していました。先発、リリーフのどちらも可能性がある。期待しています。まずは先発でチャレンジしてもらいたい」 右スリークオーターから150キロ超の直球とカットボール、スライダーで勝負する右腕。東洋大4年春は6勝を挙げるリーグMVPの活躍で優勝に貢献した。外れ1位指名で2球団が競合した末にDeNA入りすると、新人ながら開幕ローテーション入りして1年目には7勝を挙げた。23年には中継ぎへ転向し、46試合5勝3敗6ホールド、防御率2・11。今季は6月7日のソフトバンク戦の打席で右ゴロを放った際、一塁ベース到達時に左足首を捻挫。登板は18試合に終わった。 このオフは先発再転向するためにメキシコに渡り、ウインターリーグで武者修行中。すべて先発で6試合3勝1敗、防御率1・31の成績を残し、週間MVPにも選出されるなど、スターターとしての資質も十分に示している。ソフトバンクの来季先発は有原、モイネロ、スチュワートが軸となり、大関らが枠を狙っている。国内FA宣言した石川の動向次第だが、和田引退もあり、小久保監督は「先発はチャンス」と明言。上茶谷が割り込む隙は十分にありそうだ。 上茶谷はDeNA球団を通じ「チームメートと過ごした時間はかけがえのない僕の財産です。本当にお世話になりました!ファンの皆さま、私は横浜スタジアムが本当に大好きで、地鳴りのような大声援には背中を押してもらえました。ありがとうございました!新天地で活躍する姿をお見せできるように頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました!」とコメントした。拠点を移すことになるが、福岡の地にも、横浜に負けない応援が待っている。剛腕が気持ちよく腕を振る舞台は、整っている。 ◇上茶谷 大河(かみちゃたに・たいが)1996年(平8)8月31日生まれ、京都府出身の28歳。京都学園から東洋大に進み、4年春に東都大学リーグ新記録の1試合20奪三振。同シーズン6勝でリーグ3連覇に貢献した。18年ドラフト1位でDeNAに入団。ルーキーイヤーの19年に7勝を挙げた。23年に中継ぎに転向し、同年は46試合に登板。通算成績は121試合登板で20勝23敗4ホールド、防御率4.12。1メートル82、83キロ。右投げ右打ち。