巨人、R・マルティネス獲りへ“背に腹は代えられない”切迫事情 「大山資金」以上の根拠が…方針転換で9年ぶりキューバ選手に本腰
巨人に十分すぎる資金の蓄え
それでも、底力では巨人に及ばない。このほど、阪神から国内フリーエージェント(FA)宣言した大山悠輔内野手の獲得に失敗。虎の主砲に提示していた6年総額24億円超の資金はそのまま残っている。ソフトバンクがマルティネスから手を引いた今、資金力では他の追随を許さないだろう。 「巨人が本腰を入れてきたら、ほとんどの球団がマネーゲームでは太刀打ちできないと思います。最後まで食い下がれるのがDeNAだとみています」(前出の中日関係者) 巨人は昨オフまで3年連続でFA選手の獲得がない。原辰徳前監督が一昨年オフに公言していたように、資金は十分すぎるほどプールされているようだ。万が一、獲得に乗り出している甲斐拓也捕手、石川柊太投手(ともにソフトバンクからFA)を先に取り逃がせば一層、余力が生まれることになる。 一方で巨人の最重要課題は、海外FAを行使した菅野智之投手がメジャー移籍する見通しのため、先発陣の強化である。マルティネス獲得に際し、なりふり構わぬ札束攻勢を仕掛ける必要性があるのか。 さる在京球団編成担当は、阿部慎之助監督が描く理想のチーム像でマルティネスは必要なピースと捉えているのではないかとみる。
外国人投手枠がオーバーしてでも……
巨人は昨季、勝ちパターンの継投の確立に四苦八苦し、逆転されることが多かった終盤は「魔の八回」などと揶揄された。それが今季は大勢投手が29セーブでクローザーとして復活するなど、リリーフ陣の立て直しに成功した。来季契約ではフォスター・グリフィン投手、カイル・ケラー投手、アルベルト・バルドナード投手と既に残留で合意している。ここにマルティネスが加入すれば、外国人投手枠の兼ね合いで全員の1軍起用は不可能になるのだが……。 「阿部監督はディフェンス重視のチーム作りに徹して今季、覇権を奪回しました。投手はどれだけいても困らないという発想なのでしょう。マルティネスが入れば継投に憂いはなくなり、阪神のJFKのような強力リリーフ陣の形成も可能です」(同編成担当) 前出の中日関係者は、阿部監督がさらなるリリーフ陣の強化を目論んでいることに同調しつつも、それ以上にマルティネスを獲得しなければならない事情があるという。 「同じセ・リーグのチームが戦力アップすることを阻止するためですよ。マルティネスがDeNAに行くようなことになれば自軍の脅威になりますから」