小鳥たちの巣作りサポート 長野・戸隠の生徒が巣箱かけ
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5月10日からの愛鳥週間を前に、長野市(長野県)の戸隠(とがくし)高原で12日、地元の戸隠中学校の生徒たちが森の木々に鳥の巣箱をかけました。40年以上続く同中学校の野外活動。中部森林管理局・北信森林管理署や市の職員の指導で手作りの巣箱を据え付け、巣作りが始まる小鳥たちの訪問に備えました。 【動画】コハクチョウが北帰行 長野県の犀川白鳥湖
例年より少ない雪で作業に戸惑いも
参加したのは、2年生になったばかりの戸隠中学校の生徒20人。1年生の3学期に巣箱作りにチャレンジし、この日はそれぞれ完成した巣箱を抱えて戸隠高原を訪れました。「のこぎりを使って、くぎを打って作りました」と生徒たち。巣箱の入り口の穴が大きすぎるとリスなどが入ってしまうので、穴は直径2センチ前後に設定しました。
巣箱の取り付け場所は戸隠の奥社近くの森林。通常は木の高さ2.5メートルほどの高さに取り付けますが、この日は森林地帯に足場になる積雪がほとんどなく、やむを得ずはしごをかけての作業。森林管理署の職員らが実際に木にはしごをかけて予行演習し、滑り落ちたりしないよう注意を呼びかけました。例年なら2~3メートルの積雪があるのに、笹やぶなどが露出している状態で、職員らは「少ない雪に驚きますね。雪があったほうが高い位置に巣箱をかけられるのに」と戸惑っていました。
4人ずつ5班に分かれての巣箱かけは、30メートルほどの間隔を置いての作業。はしごの上で針がねを伸ばしながら木に巻き付け、巣箱を固定しました。森林管理署の話だと、実際に小鳥たちの営巣に使われる巣箱は30%ほどですが、リスやヤマネなどが「ちょっと拝借」して入り込んでしまうケースを含めると、ほとんどの巣箱が活用されます。 巣箱はシジュウカラ、ニュウナイスズメなどが利用し、巣箱の穴が大きいとムクドリなどが“入居”するといいます。鳥たちはこの時季すでに営巣場所の品定めに飛び回っており、いい場所を見つけると卵を産むための「産座」にコケなどを持ち込んで居心地のよい状態にします。いったん産座を作っても気に入らないとほかに行ってしまったり、「お嫁さん」が見つからずに去ってしまう残念なケースもあります。