古代エジプトのワニのミイラの胃に釣り針を発見! 2000年以上前の最後の食事が明らかに
需要に応える供物用動物ミイラ「産業」
今回のワニのミイラの分析は、最新の画像技術が過去を明らかにする能力の高さを示すものだと、エジプト、アメリカン大学カイロ校のエジプト学者で、エジプトの動物ミイラの専門家であるサリマ・イクラム氏は賞賛する。 またこの研究は、ミイラにするための動物がいくつかの異なる方法で捕獲されていたことを示唆する以前の研究を裏付けるものでもあるという。 マックナイト氏らの研究は、古代エジプトにおける供物用動物ミイラ「産業」を理解する上で重要な情報を与えるものだと、カナダ、ウエスタン大学の生物考古学者のアンドリュー・ネルソン氏は評価する。 ネルソン氏は、古代エジプトでは、ワニのほかに、膨大な数の鳥、猫、トガリネズミなどのミイラが供物として必要とされていただろうと指摘する。「その需要がどのように満たされたのかを解き明かすのは、興味深い試みです」
文=Tom Metcalfe/訳=三枝小夜子