イケメンF1マシン勢揃い! 決勝出走僅か1回のマシンですら格好良かった……まさに黄金時代。1992年のF1マシン
■アンドレアモーダS921
コローニを買収する形で誕生したのがアンドレアモーダ。イタリアで靴のメーカーを運営するアンドレア・サセッティがチームオーナーとなった。 しかしあまりにも急ごしらえ。開幕戦にはマシンを用意できず、ドライバーを務めたロベルト・モレノによれば、第3戦ブラジルGPのガレージでは、金曜日の段階でもまだマシンを組み立てている途中だったという。結局土曜日朝にマシンが組み上がり、なんとか3周だけできたという体たらくだった。続くスペインGPでも、ピットアウトするだけが仕事……リヤウイングが脱落する危険があったのだ。 その後モレノが旧知のメカニックらに声をかけ、チームに合流。その結果、サンマリノGPでは予備予選のアタックに挑んだが、マシントラブルで完遂できず。 続くモナコGP前にはテストを行ない、それも功を奏して予備予選を通過。予選もギリギリながら26番手で通過し、決勝進出を果たした。その決勝では完走することはできなかったものの、「1990年日本GPの2位と同じくらい思い出に残っている」とモレノは後に語っている。 このS921は、後にチームとしてF1参戦を果たすシムテック製。速くはなかったが、それでも記憶に残る1台である。 予選通過はこのモナコの1回限り。オーナーのサセッティが逮捕されたことで、ベルギーGPを最後にF1から追放された。
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