イケメンF1マシン勢揃い! 決勝出走僅か1回のマシンですら格好良かった……まさに黄金時代。1992年のF1マシン
■ティレル020B
ティレルも1992年に、前年用マシンのアップデート版で臨んだ。020Bである。 1991年はホンダV10を搭載していた020だが、この年はイルモアV10エンジンに変更。その結果バランスが良くなり、旧型マシンながら優れた戦闘力を発揮した。ホンダエンジンはパワフルながら重く、一方でイルモアV10はパワーこそホンダには敵わなかったが、非常に軽かったのだ。 なおティレルは翌年にもこの020を使用。ヤマハエンジンを搭載した。つまり3年の間に、ホンダ、イルモア、ヤマハを搭載。ちなみに無限ホンダもこのティレル020でテストを行なったため、搭載されたエンジンは4種類ということになる。またこの無限ホンダのテストの際にはブリヂストンタイヤを履いていたため、1991年のピレリ、92年のグッドイヤー、93年のグッドイヤー(15インチ幅)と合わせて実に4種類のタイヤを履いたわけだ。 前代の019とともに、ハイノーズ全盛期を象徴するマシンの1台である。
■フットワークFA13
日本の運送企業が所有していたフットワークの1992年用マシンFA13は、ティレルやベネトンほどではないもののハイノーズとなり、そのノーズからハの字形にフロントウイングが伸びる形状となった。搭載するエンジンは、F1に初めて打って出た無限ホンダのV10だった。 1991年にはポルシェエンジンを使って苦戦したフットワークだが、無限ホンダV10を得て期待感が高まった。この無限ホンダV10は、1990年にマクラーレンがチャンピオンを獲得した時に搭載していたホンダV10がベースだったからだ。しかし重量が重かったことが足枷となった。 それでもミケーレ・アルボレート16戦中14戦で完走するという高い安定性を発揮。うち4戦で入賞した。チームメイトの鈴木亜久里は、スペインGPでの7位が最高位。入賞には届かなかった。
■ダラーラBMS192
スクーデリア・イタリアが1992年に使用したマシンBMS192。同チームはイタリアのチームであり、参戦から赤いカラーリングを採用していた。マシンは同国のダラーラが制作したモノに、フォードやジャッドのエンジンを搭載していたが、1992年に念願のフェラーリV12を獲得することになった。 そのカラーリングは本家フェラーリと酷似しており、遠目で見ると、フェラーリのF1マシンが4台グリッドに並んでいるようにも見えた。 J.J.レートとピエルルイジ・マルティニがドライブ。マルティニがスペインGPとサンマリノGPで6位入賞を果たしている。