イケメンF1マシン勢揃い! 決勝出走僅か1回のマシンですら格好良かった……まさに黄金時代。1992年のF1マシン
■ベネトンB192
ベネトンはスペインGPにニューマシンB192を投入した。ノーズがB191よりもさらに高くなり、黄色い車体カラーリングと相まって、バナナノーズとも呼ばれた。 この形状はアップデートを加えられつつも、2年後の1994年まで使われ続けた。 当時流行を極めたハイテクデバイスはほとんど搭載されなかったにもかかわらず、空力性能に優れたマシン、ドライバビリティに秀でたフォードHB V8エンジンとのコンビネーションがうまくいき、シューマッハーのドライビングもあって好パフォーマンスを発揮。デビュー戦となったスペインGPでいきなり2位に入ると、ベルギーGPでは優勝を果たした。
■フェラーリF92A
「すごく格好いいF1マシン」として、今も語り継がれている1台。しかし、成績は伴わなかった。 新進気鋭のジャン・アレジと、レイトンハウスで頭角を現したイワン・カペリがドライブしたフェラーリF92Aは、フロアが二重となったダブルフロア、ジェット戦闘機のようなサイドポンツーンを備え、まさにそれまでのF1マシンと一線を画すデザインだった。本来それまでのF1マシンの常識を覆すマシンは、格好悪いことも多い。しかしこのF92Aは違った。 ただ戦闘力は優れず、アレジが2度3位表彰台を獲得するのがやっと。上位3チームにはまったく歯が立たず、中団チームに追い回されることも少なくなかった。 当時はダブルフロアが効果を発揮しなかったと言われることもあったが、実際には出来の悪いエンジン、ギヤボックスをシーズン途中で横置きに変更したことでダブルフロアの効果を最大限に発揮できなかったことが、低迷の原因とも言われている。 ダブルフロアが目指した効果は、実は今のF1マシンでは主流になっているモノだ。 なおシーズン終盤にはアクティブサスペンションを搭載した。
■ロータス107
ロータス107はハーバートが第5戦サンマリノGPから、ハッキネンが第6戦モナコGPから乗り始めた。 この107には、アクティブサスペンションと従来のパッシブサスペンションのハイブリッド、セミアクティブサスペンションが搭載されていた。ロータスは1987年の99Tでアクティブサスを実用化していたが、一時お蔵入り。しかしこの1992年に復活を果たすこととなった。 107は信頼性が低く、リタイアが多かったが、それでも高い戦闘力を発揮。ハッキネンが2度の4位を含む5回の入賞を記録し、ランキング8位に入った。一方ハーバートは1回の入賞のみだった。なお、ふたりの仲の良さも話題となり、スポンサーを務めていた日本の製薬企業のCMにも揃って出演した。 結局この107は、3年にわたって使われ続けることになった。