トヨタグループのCJPTが自動化や電動化でイオンの新たな物流拠点の効率化を推進
CO2排出量の削減やドライバー不足などの課題解決に
2024年7月22日、イオンとイオン九州、そしてコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズは、福岡県福岡市に建設された物流拠点「イオン福岡XD」で、物流社会課題の解決とカーボンニュートラルへの貢献を両立する取り組みを行うと発表した。 【写真】自動化が進んだ新物流センター「イオン福岡XD」を詳しく見る 物流における課題と脱炭素化を推進していく枠組みとして、トヨタが主となって立ち上げた企業が、「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」、いわゆるCJPTだ。トヨタと資本関係にあるいすゞと日野が持つ商用車事業のノウハウ、そしてトヨタのCASE技術を組み合わせることで物流業界が抱える課題を解決する技術・サービスの開発を加速させるというもので、2021年4月の設立以降も軽商用車事業を見据えてスズキとダイハツ(現在は脱退)が参画、日野と三菱ふそうを経営統合する方針を示すなど枠組みは拡大。CJPTの事業は福島県や福岡県、東京都などといった都市との連携、実証実験がいくつも行われており、燃料電池システムを搭載したバス、EVトラックの社会実装がすでに進んでいる。 地方自治体だけでなく、イオングループの物流機能子会社イオングローバルSCMとともに、サプライチェーン全体を効率化する仕組みや、コネクティッドシステムの構築などにも取り組んでいる。 2021年4月にはじまったイオングループとの協業は、フェーズ1で関西エリアにおいてトラックの総走行距離とCO2排出量を10%削減、2022年9月からのフェーズ2では活動の範囲を「イオングループ外」に広げて、卸事業者や仕入先まで一気通貫で輸配送を効率化してきた。 そして今回、フェーズ3として2024年7月24日に新物流センター「イオン福岡XD」を本格稼働。フェーズ1/2で培ってきたノウハウを集約するとともに、パレット自動倉庫や遠隔無人フォークリフトAGF、次世代AGV自動搬送機などといった自動化技術を導入することで作業負荷軽減や生産性向上を推進。「積載率の向上」や「配送の最適化」により物流効率を高め、トラックの総走行距離の短縮にもつなげるという。 これに加えて車両の電動化も始まる。まずは全車両の15%を電動化させるというが、その中には水素を燃料として走行中のCO2排出量をゼロとする燃料電池車も含まれる。福岡県による「燃料電池トラック導入促進事業費補助金」を利用して導入され、2030年までにCO2排出量を35%削減することを目指す。 このほかにも「取引先とのデータ連携による物流の効率化」や「長距離輸送でのダブル連結トラックの活用」なども検討され、ドライバー不足や荷待ち時間の削減など、人材面の課題解決にも取り組むとしている。サプライチェーン全体に広げることができれば、物流課題解決とカーボンニュートラルにつながるとしている。