再注目!? 日本の伝統文化『一本歯下駄』で姿勢を整える メジャーリーガーもトレーニングで使用
お祭りや温泉宿などで見かける「下駄」。日常生活で見かけることはほとんどなくなってしまいましたが、実はいま、歯が後ろに一つしかない「一本歯下駄」が注目を集めているのだとか。アスリートのなかには、一本歯下駄でトレーニングをする人もいるそうです。 【写真】アスリートも愛用!? 姿勢矯正にも効果的な「一本歯下駄」 目的別のラインナップ そんな一本歯下駄の開発・製造を行うGETA LABO(ゲタラボ)の担当者・桒田(くわた)さんに話を聞きました。 ――どのような人が使用している? 【桒田さん】 子どもから高齢の方まで、幅広い年齢層で使用していただいています。一本下駄は普段は使わない筋肉を使うことから、さまざまな効果があります。たとえば、子どもの姿勢を改善することで歯並びをよくしたり、産前産後の方にはむくみ改善や骨盤回りをほぐす効果があったりと、足元からさまざまな効果を得ることができます。 ――一本歯下駄を扱うようになった経緯は? 【桒田さん】「日本の未来を足元から健康にしていく」というコンセプトで、2020年から、スポーツと伝統工芸をあわせた一本下駄の開発をはじめました。体に多くの良い効果をもたらすことから、下駄の伝統を尊重しながら、時代の変化に合わせてさまざまな方に利用されるよう開発・製造をしています。 ――アスリートも利用する? 【桒田さん】 スピードスケートの小平奈緒選手が一本下駄でトレーニングをしていたことから注目を集め、メジャーリーガーの吉田正尚選手や、自転車トラック競技チームスプリント日本代表の長迫吉拓選手などもトレーニングで使用されました。体幹を鍛えることや、体全体のバランスを整えるのに効果があります。 ――歯の位置によって効果に違いがある? 【桒田さん】 歯が前にある場合は前足部を使うので、足元の筋肉をより効果的に鍛えることができます。歯が真ん中にある場合は体全体を使うため、体幹を鍛えたり骨盤を正しい位置にする効果があります。そして、歯が後ろにある場合はお尻や背中に効果があり、姿勢を正しくすることができます。 ――開発の際に苦労したことは? 【桒田さん】 歯の位置や足を引っかける鼻緒など、理論的に効果が求められる形でも実際に履いてみると履き心地が違ったりと、理想とのギャップをなくすためのミリ単位の形状調整には苦労しています。 ――どのような商品を開発している? 【桒田さん】 ウォーキングに特化している一本歯下駄では、現代人の歩き方に合わせてより理想的な歩き方になるよう設計されています。また、足指がカーブするようにも作られており、歩きやすさも兼ね備えているので、犬の散歩の際に使用する方もいらっしゃいます。 自転車に特化した商品では、ペダルを踏む前足部に歯があることでより運転しやすくなっているため、アスリートだけでなく、趣味でサイクリングを楽しんでいる人にも使っていただいています。 そのほかにも、さまざまなシーンに合わせて開発しており、現在約20種類の商品があります。 ――今後、どのような商品を開発していきたい? 【桒田さん】 下駄に内蔵したチップをアプリと連動させて、自分がどのように歩いているのか・どのように歩くのが正しいのかを可視化できるようにできればと考えており、現在開発中です。 ☆☆☆☆☆ 現在も、多種多様な商品の開発が進められている一本歯下駄。桒田さんは、「伝統産業である一本歯下駄は、多くの人に履いてもらうことで職人さんなど多くの人の支えにもなる。社会全体が少しでも前進できるように、これからも一本歯下駄を使って笑顔を作っていきたい」と話します。 伝統産業と現代のニーズをマッチさせた商品の今後から目が離せません。
ラジオ関西