【KONOSUKE TAKESHITA、実り多きAEWでの一年】2025年は漫画でもあり得ないことをやるプロレスラーになる
鷹木信悟と対戦することで設定している高いハードルを越えられるか
――アメリカは道場がないので、日々の肉体的なトレーニングはジムでやっていると思われますが、プロレス頭やセンス、発想を高めるのは実戦の中で培っている状況ですか。 TAKESHITA そこは日本にいた時もほとんど道場にはいっていなくて、それこそデビューする前の高校1年生の夏休み期間だけでしたから。ジムでの練習がほとんどだったので、こっちに来ても環境的な変化はあまりないです。 ――オフの日はどんなことをして過ごしているんですか。 TAKESHITA 前は家から出ない日がほとんどだったんですけど、最近はけっこう外に出てキャンプにいったりしています。フロリダは自然が多いんで。まあ、何年アメリカにいられるかなんてわからないから旅行も兼ねていろんな都市にも足を伸ばしています。今、このアメリカに住んでプロレスができている環境って、すごくありがたいことだと思うんです。ちょうど最近、プロレスの神様に感謝したところだったんですけど。なので、せっかく今ここにいるならこの環境をしっかり充実したものにしようという気持ちはけっこうあって、それでアメリカを見て回っていますね。 ――いる間にいけるだけいって見聞を広めた方がいいですよ。まだいつまでアメリカにいるというのは自分の中で定めていないんですか。 TAKESHITA うーん、やっぱりそういうのは考えますよ。ただ、いつが区切りというのは設定していないし、永住することになるのかなって思うこともあります。 ――永住してもいい? TAKESHITA 好きですけど、日本への浮気じゃないけどどこでもドアが現代にあれば間違いなく日本に住んでいますね。すぐこっちに飛んで来られるなら日本に住んでいます。でも、アメリカに住んで生活するというのはプロレスに限らず一般社会でもなかなかできることではない経験なんで。 ――文化の違いでストレスを感じることはないんですか。 TAKESHITA ないですないです。 ――それはよかったですね。 TAKESHITA 特に問題はないですけど…SNSやYouTubeで日本のコンテンツを見ている時に、銭湯いきたいなとか、居酒屋いきたいとはなりますね。 ――映画館にはいっているんですか。 TAKESHITA いきます。相変わらず独学の英語ですけど、困ることはなくなってきたぐらいなので、英語の台詞でも見ています。 ――さて、2025年の活動は日本からスタートしますが、まずはWRESTLE KINGDOMからお話いただきましょうか。 TAKESHITA プロレスファンの頃に見にいったこともあったし、いつかは出てみたいとも思っていました。ただ、僕の中ですごく特別な興行だというところはあまり関係なくて、先ほども言ったハードルという点で鷹木信悟という相手と闘うことで高いところに設定してしまっている。そこを越えられるかどうかの一点です、頭の中は。僕がプロレスラーに対しすごいと思うポイントの一つとして、誰とやってもどんな状況でも面白い試合ができるスキルというのがあるんですけど、鷹木選手はそこに関して一流じゃないですか。だからこそ、自分の中のハードルが上がっている。 ――ファン時代に見ていた選手ですよね。 TAKESHITA もちろん。DRAGONGATE見にいっていましたから。正直、新日本所属になってからは追えていないので、僕の中のイメージはあの頃の鷹木選手です。DRAGONGATE所属ながら、けっこう他団体にも出ていて、それを見るのが楽しみだった。 ――飯伏幸太選手と同じく2004年デビュー世代の選手です。 TAKESHITA キャリア的には全然上ですよね。ただ、僕は17歳でデビューしてずっと上の世代に向かっていくキャリアを送ってきたんで、そこは変わらない。 ――この時点でAEWインターナショナルのベルトを保持していれば、AEWのタイトルマッチを日本でやれることになります。 TAKESHITA それに関しては嬉しいんですけど、感覚的にはAEWを背負ってだとか、DDTの代表として新日本に乗り込むとか、そういうのは心の片隅に少しはあってもKONOSUKE TAKESHITAとして勝負するタイミングだと思っています。 ――前回の東京ドーム出場が路上プロレス(2021年10月31日)というのも、今となってはいいふり幅を生み出しています。 TAKESHITA 武藤敬司さんの引退興行でDDT提供試合として同世代の選手たちが東京ドームに出た時、僕はアメリカに来ていて出なかった。今回が本来の形としては初めてですけど、日本武道館でデビューして「武道館の次は東京ドームだ」って頭の中で想像はしつつも、実現するまで12年かかったかーっていう感じです。 ――それも、1・4で勝ってNEVER無差別級のベルトを奪取すると翌日の1・5にも出場することになります。 TAKESHITA これは過去のインタビューでも言ったことがあると思うんですけど、NEVER無差別級のタイトルマッチといったら僕の中では後楽園でやった田中将斗vs石井智宏戦(2013年2月3日)で、プロレスファンとしての自分に及ぼした影響が本当にすごいというか、あの試合を見た興奮、感動と衝撃は、あれを超えるものが今のところないぐらいなんです。 ――今なお語り継がれる伝説の一戦です。 TAKESHITA 石井選手とは1回しか試合で絡んだことはないんですけど(2023年6月25日、AEW×NJPW FORBIDDEN DOORの10人タッグマッチで対戦)、見て盗む、見て学ぶ、見て吸収するっていう部分で実は石井智宏のプロレスも竹下幸之介の中にあると思っていて。僕は田中将斗選手と2回シングルマッチをやっていて、その1発目が同じ後楽園(2020年3月20日、田中のKO-D無差別級王座に挑戦し敗れる)ということで、自分が衝撃を受けた試合と頭の中でリンクするものがあったんです。それで今回、もう一方の石井智宏とシングルマッチが実現すれば、また一つ僕のプロレス人生に石井智宏の色をつけて彩り豊かになる。 ――ちゃんとつながっているんですね。 TAKESHITA それだけ印象に残るものって、やっぱり何かにつながっていくからこそ残るんだと思います。
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